行政書士は恥ずかしい資格なのでしょうか?
ネット上には、行政書士に対する悪い口コミが多いですがなぜですか?
インターネット上には、行政書士に対する悪い口コミや評判が多いですが、その理由としては殆どの人が行政書士に対しての理解が不十分であるからと考えられます。
行政書士試験は、難関資格の一つであり平均的な合格率は、10%前後と大変低いです。
仮に試験に合格しても、資格をどう活かしていけば良いのか分からない人が多いため、最終的に役に立たない資格だったと決めつけている人も珍しくありません。
この記事では、行政書士試験に合格した後のアクションプランを提示すると共に、受験生が自信を持って学習に取り組む方法を解説しています。
行政書士試験は、あくまでも登竜門に過ぎません。
問題は試験に合格した後に、どのようなキャリアプランを選択するかです。
行政書士は恥ずかしい資格ではない!合格後のアクションプラン
行政書士試験に合格した後は、次のようなアクションプランが考えられます。
- 行政書士登録を行う
- 個人事務所の開業を目指す
- 企業や行政書士事務所に就職し実務経験を積む
- 士業としてのスキルアップを目指す
- 顧客満足度を高めるために努力する
行政書士試験に合格した後に、すぐに独立開業を目指す人もいれば、実務経験を積むために行政書士事務所で働く人もいます。
行政書士登録を行う
行政書士試験に合格した後に、行政書士会に会員登録を行うことで、行政書士業務が行えるようになります。
行政書士会に登録を行わない限り、行政書士としての業務が行えませんので、その点を考慮した上で登録するかしないか判断しましょう。
行政書士の中には、登録せずにいる人も珍しくないため、あなたのキャリアプランに合わせた選択が必要です。
個人事務所の開業を目指す
行政書士試験に合格した後は、行政書士会に登録を行い、すぐに独立開業を目指すのも一つの方法です。
ただし、独立開業するためには行政書士業務に関する知識の他にも、営業やマーケティングなど様々なスキルや知識が求められます。
残念ながら独立した行政書士の中には、半年ほど仕事がなかったため、仕方なくアルバイトを行いながら生計を立てているという人もいます。
企業や行政書士事務所に就職し実務経験を積む
行政書士は、実務経験を積むことが大切です。
将来的に行政書士の資格を活かして独立開業しようと考えている人も、まずは企業や行政書士事務所で実務経験を積む方が良いでしょう。
実務経験があるのとないのとでは、独立後の集客や業務遂行などに大きな違いが出てきます。
ただし、行政書士は本来独立型の資格であるため、地域によっては求人を探すのが、難しい可能性もあります。
士業としてのスキルアップを目指す
行政書士は、士業として専門性を高め、スキルアップすることが大切です。
行政書士試験に合格した後に、それまで培った法律に関する知識を活かして、宅建士や司法書士などの資格に挑戦する人も珍しくありません。
特にダブルライセンス取得に関しては、行政書士としての差別化にも繋がる上に、業務範囲を広げられるため、非常に有効な手段として用いられます。
顧客満足度を高めるために努力する
行政書士は、クライアントの要望に合わせた提案やアドバイスを行い、顧客満足度を高めることが求められます。
顧客満足度を高めるために、コミュニケーション能力を磨いたり、顧客のニーズを理解するための研究を行うなど様々な努力が必要です。
ハードスキルが行政書士に関する法律的な知識だとするならば、コミュニケーション能力や営業、マーケティング等はソフトスキルになります。
ハードスキルだけでは、独立開業後に個人で稼ぐのは難しいため、ソフトスキルにも目を向けて独学で磨いていく必要があります。
行政書士資格に対してネット上に悪口が多い3つの理由
行政書士資格に対してネット上に悪口が多い理由としては、次のような項目が挙げられます。
- 行政書士試験の合格率が低い
- 行政書士業界の闇や悪徳行為が報じられることがある
- 行政書士という職業に対する認知度が低い
行政書士という職業や資格に関して、弁護士や税理士等ほど認知されておらず、何をする人なのか分かっていない人が多いのが大きな原因となっています。
行政書士試験の合格率が低い
行政書士試験は、難易度が高いといわれており、合格率も例年10%前後とかなり低いです。
そのため、受験者が多く落選することが珍しくなく、試験に失敗した人からは「試験が難しすぎる」という声が出てしまうことがあります。
合格者は毎年全体の1割程度しかいない上に、中には5年以上受け続けても合格していない、という人もいます。
不合格者のストレスの矛先として、行政書士が目を付けられてしまい「行政書士は、意味がない資格だ!」と言われることもしばしばあることです。
行政書士業界の闇や悪徳行為が報じられることがある
行政書士業界には、悪徳な業者や詐欺まがいの商法を行う業者が、残念ながら一部存在します。
「だまされた。私も被害者だ」。九州7県を含む全国の市町村から取得した戸籍や住民票など約3500通のほとんどが不正とされ、兵庫県警が昨年8月に逮捕した宇都宮市の行政書士(51)は、自宅で記者に繰り返した。
出典:西日本新聞|行政書士、逮捕に「私も被害者」背景に過当競争、欠けた規範意識
真っ当に業務を行っている行政書士からしたら、一部の悪事を働く行政書士の存在は、非常に迷惑極まりないでしょう。
また、報酬が安いといった問題もあり、業界の闇がネット上で報じられることが度々あるため、それに対する批判や不信感が表明されるのもよくあることです。
行政書士という職業に対する認知度が低い
一般的に行政書士という職業に対する認知度が低いのも、ネット上の悪い口コミや評判に繋がっている可能性が高いです。
実際に行政書士という職業に対する理解が不十分な人からは、行政書士資格に対する批判や否定的な意見が出やすい傾向にあります。
弁護士や税理士などであれば何をする人なのかがイメージしやすいですが、行政書士だと具体的に何をする人なのか、説明できない人も珍しくありません。
行政書士に対する偏見に負けずに自信を持って学習に取り組む方法
行政書士に対する偏見やネガティブな意見に影響を受けず、自信を持って学習に取り組むためには、次のような方法が挙げられます。
- 行政書士になりたい理由を明確にする
- 前向きな人と交流する
- 情報収集に努める
- あなたに合った学習方法を見つける
行政書士試験で合格を目指すのであれば、何よりも先に行政書士になりたい理由を、明確にしておくことが大切です。
行政書士になりたい理由を明確にする
自分が行政書士になりたい理由を明確にすることで、自信を持って学習に取り組むことができます。
自分自身が行政書士として社会に貢献したいという想いを強く持ち、それを実現するために学習を続けているという自覚を持ちましょう。
ネット上には、行政書士資格に対するネガティブな意見も多いですが、あなたの目的が明確であればあるほど、気持ちがブレずに取り組めるはずです。
前向きな人と交流する
行政書士に対するネガティブな意見に振り回されないようにするためには、前向きな人と交流することが大切です。
同じ目標を持った人や、行政書士になっている人と話すことで、自信を持って学習に取り組むことができます。
特に行政書士試験のような年単位で合格を目指すような試験の場合は、周りに同じよな目標を持った仲間がいた方が、途中で挫折する確率が低くなります。
情報収集に努める
ネット上の情報だけではなく、公式の情報や実際に行政書士として働く人からの情報など、様々な情報源から情報収集をすることで、客観的に判断することができます。
情報収集によって、行政書士に対する理解を深め、自信を持って学習に取り組むことができるようになるでしょう。
逆に行政書士業務に対する理解が浅いと、SNS上にある根拠のない情報に、惑わされる可能性が高くなります。
あなたに合った学習方法を見つける
あなたに適した学習方法を見つけることで、学習効率を高めることができます。
最短で合格を目指すのであれば、自分の得意な学習方法や時間帯、環境を考慮した学習プランを作成し、それに沿って学習に取り組むことが大切です。
適した学習方法は人によって異なるため、他の合格者の学習方法を真似しただけでは、一概に上手くいくとは限りません。
行政書士試験に合格するためのおすすめの学習方法
行政書士試験に合格するためのおすすめの勉強法としては、次のような項目が挙げられます。
- 予備校や通信講座を利用する
- 過去問を中心に試験対策を行う
- 学習アプリやオンライン学習プラットフォームを利用する
法律に詳しくない初心者が、最短での合格を目指すのであれば、通信講座を利用するのがおすすめです。
予備校や通信講座を利用する
行政書士試験に合格するためには、自己学習だけでは限界があります。
予備校や通信講座を受講すれば、基礎から応用まで体系的に学習できるでしょう。
講師からのアドバイスや質問に答えることで、試験問題に対する理解度を測ることができる上に、学習に対するモチベーションの維持にも繋がるはずです。
過去問を中心に試験対策を行う
過去問題を解くことで、試験の出題傾向や問題形式を把握できます。
問題傾向が年度によって大きく変わるという訳ではないため、点数を稼ぐという点においても、過去問は必ず取り組んでおくべきです。
また、過去問をある程度こなせば、自分自身の弱点を明確に把握できるため、弱点に対する具体的な対策も立てやすくなるでしょう。
学習アプリやオンライン学習プラットフォームを利用する
行政書士試験に関する学習アプリや、学習サイトを利用することで、より学習効率を上げることができます。
通学・通勤などのスキマ時間を活用して、スマホアプリで学習を行う人も珍しくありません。
通信制講座によっては、スマホでいつでもどこでも学習できるサービスもあります。
中には、無料で使えるアプリや学習サイトもあるため、学習費用を抑えたい方にもピッタリの学習方法だといえるでしょう。
行政書士資格に関するよくあるQ&A
行政書士資格に関する多くの質問や悩み等の中から、特に多かった内容だけに絞って、それぞれ質問形式で分かりやすくまとめてみました。
行政書士は、決して恥ずかしい職業でも資格でもありませんので、自信を持って試験に臨みましょう。
Q.行政書士と司法書士は何がどう違うのですか?
行政書士と司法書士の最大の違いは、その業務内容にあります。
行政書士は、行政に関する業務を専門とし、司法書士は、司法に関する業務を専門とします。
行政手続きや法律相談など、行政に関する業務を専門とする専門家です。
具体的には、法人や個人の設立や登記、届出書類の作成や申請手続きの代行、相続手続きなどを行います。
一方、司法書士は、司法に関する業務を専門とする専門家です。具体的には、不動産登記や債権回収、遺言や相続手続き、民事訴訟の提起などを行います。
司法書士も国家資格であり、業務を行うためには司法書士法に基づき、司法書士会に登録する必要があります。
Q.行政書士の浪人してまで取得する価値がありますか?
行政書士試験は難易度が高く、合格率も低いため浪人してまで取得するかどうかは、個人の状況や目標によって異なります。
行政書士資格を取得することが目標であり、浪人することによってそれを達成できる可能性が高い場合には、浪人してまで取得する価値があると考えられます。
実際に浪人することで、試験に慣れていく上に知識もより身に付くため、合格率は徐々に上がっていくでしょう。
Q.行政書士は就職や転職活動に有利ですか?
行政書士は、行政手続きや法律相談など幅広い業務を行うことができるため、就職や転職活動において有利になりやすいです。
たとえば、企業や自治体などで働く際に、行政書士の資格を保有していると信頼性が高まり、前向きに採用を考えてもらいやすくなります。
行政書士の資格を持っていることは、法律に基づく行政手続きや法律相談などの業務において、経験やスキルの証明にもなります。
企業や業界によって求められる資格やスキルは異なりますので、あなたが就きたい職種や企業の求める要件をよく調べ、自己PRをしっかりと行うことが重要です。
Q.行政書士と宅建士はどちらが難しいですか?
単純に合格率だけで比較すると、例年10%前後の合格率を推移している行政書士の方が、難しい試験だといえます。
対して宅建士の合格率は、例年15〜17%を推移しており、年度によっては行政書士と変わらない合格率の時もあります。
受験者の学習環境や学習方法、受験前の知識や経験によっても難易度は変わるため、一概には比較できません。
行政書士試験は、行政手続きや法律相談など、行政に関する業務を行うために必要な知識や技能が問われます。
一方、宅建士は、不動産業界での活動や、不動産の売買や賃貸などに関わる業務に必要な資格です。
どちらの資格も、合格には十分な知識や理解、応用力が必要です。
Q.行政書士資格だけでは食べていけませんか?
結論からいうと、行政書士資格を取得しただけでは、食べていくことは難しいと考えられます。
行政書士は、行政手続きや法律相談などに関する業務を行う資格であり、その業務に携わることで収入を得ることができます。
行政書士資格を活かして稼ぐと考えた場合、企業や行政書士事務所に就職し、働きながら給与として報酬を得る方法が一番手っ取り早い方法です。
独立開業するという選択肢もありますが、起業するとなると行政書士資格だけではなく、顧客を獲得するための営業力やマーケティング力なども必要になります。
どちらの選択をするにしても、あなた自信を就職先の企業や顧客に対して、売り込む力(営業力)が必要です。
まとめ
行政書士試験に合格した後のアクションプランを、5つご紹介しました。
- 行政書士登録を行う
- 個人事務所の開業を目指す
- 企業や行政書士事務所に就職し実務経験を積む
- 士業としてのスキルアップを目指す
- 顧客満足度を高めるために努力する
まだ試験に合格されていない方は、最初にある程度キャリアプランを考えておきましょう。
キャリアプランが定まっていないと、試験に合格した後に資格を活かしきれない可能性もあります。
後悔のないようなキャリアプランを設計し、理想の人生を叶えましょう。
資格はあくまでもツールの一つであり、ツールをどのように活かすかが重要です。
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