
行政書士試験は他の国家資格と比較して難易度はどのくらいですか?
本当に難易度が高いのか知りたいです。
行政書士試験は、資格の中でも難しいといわれている試験ではありますが、実際には法律系の資格の中ではそこまで難易度は高くありません。
とはいえ容易に合格できる資格でもないため、これから受験される方は十分な学習計画を立てた上で、計画的に勉強に取り組む必要があるでしょう。
必要な学習時間は、初学者で800〜1,000時間ほどであり、勉強期間は半年から1年ほどをみておく必要があります。
実際に受験を予定されている方は、通信制講座や通学講座を有効活用して、効率的に試験対策を行うのが得策です。
この記事では、行政書士試験の難易度を他の国家資格と比較して測るとともに、最新の受験生の意見なども交えて分かりやすく解説しています。

難易度は高いですが、決して合格できない資格試験ではありません。

行政書士を含めた国家資格の難易度ランキング

\ 国家資格の総合難易度ランキング /
総合 ランキング | 資格名 | 合格率 | 勉強時間 | 偏差値 |
---|---|---|---|---|
1位 | 弁護士 | 25.9〜39.2% | 4,000h | 75 |
2位 | 司法書士 | 4〜5% | 3,000h | 76 |
3位 | 公認会計士 | 30%前後 | 3,500h | 77 |
4位 | 税理士 | 10〜20% | 3,000h | 68 |
5位 | 中小企業診断士 | ・一次試験:17~42% ・二次試験:18~19% ストレート合格:4% | 800〜1,000h | 67 |
6位 | 行政書士 | 10%前後 | 800〜1,000h | 65 |
7位 | 社会保険労務士 | 6〜7% | 500〜1,000h | 62 |
8位 | FP1級(ファイナンシャル・プランナー) | 10%前後 | 600h | 57〜58 |
9位 | 宅地建物取引士 | 15〜17% | 500h | 55〜59 |
行政書士試験の難易度を相対的に測るために、他の国家資格と各項目別に比較してみました。
それぞれ偏差値、合格率、必要な勉強時間(また期間)、独学で合格が目指せる可能性の4つの項目で比較していますので、参考にしてみてください。

ランキングはあくまでも参考程度にして、まずは受験する目的を明確にすることが大切です。
難易度を偏差値で比較した場合
ランキング | 資格名 | 偏差値 |
---|---|---|
1位 | 公認会計士 | 77 |
2位 | 司法書士 | 76 |
3位 | 弁護士 | 75 |
4位 | 税理士 | 68 |
5位 | 中小企業診断士 | 67 |
6位 | 行政書士 | 65 |
7位 | 社会保険労務士 | 62 |
8位 | 宅地建物取引士 | 55〜59 |
9位 | FP1級(ファイナンシャル・プランナー) | 57〜58 |
難易度を偏差値で比較した場合、行政書士試験は偏差値65でランキング6位です。
相対的に比較すると他の国家資格よりも、偏差値はそれほど高くないことが分かります。
一番高い偏差値で77の公認会計士、次いで司法書士が76、国家資格の中でも特に難関資格とされる弁護士が75です。
また同じ偏差値65の大学だと、私立大学で立命館大学(文系)、国学院大(文系)などが挙げられます。
公立大学だと千葉大学(文系)、横浜国立大学(文系)、広島大学(文系)などです。
難易度を合格率で比較した場合
ランキング | 資格名 | 合格率 |
---|---|---|
1位 | 弁護士 | 25.9〜39.2% |
2位 | 司法書士 | 4〜5% |
3位 | 中小企業診断士 | ・一次試験:17~42% ・二次試験:18~19% ストレート合格:4% |
4位 | 社会保険労務士 | 6〜7% |
5位 | 行政書士 | 10%前後 |
6位 | FP1級(ファイナンシャル・プランナー) | 10%前後 |
7位 | 税理士 | 10〜20% |
8位 | 宅地建物取引士 | 15〜17% |
9位 | 公認会計士 | 30%前後 |
難易度を合格率で比較した場合、行政書士試験は合格率10%前後でランキング5位です。
弁護士の合格率が高い理由としては、受験資格が設けられているからに他なりません。
医師国家試験と同様に他の資格試験とは異なり、厳しい受験資格があるため条件を満たすだけでも、かなり難しい資格になります。
逆に受験資格さえ満たしてしまえば、合格する人は比較的に多いという訳です。実際に医師国家試験の合格率は、91.7%です。
ちなみに、行政書士試験には受験資格がないため、年齢や性別、国籍に関係なく誰でも受験できます。
難易度を必要な勉強時間で比較した場合
ランキング | 資格名 | 勉強時間 | 勉強期間 |
---|---|---|---|
1位 | 弁護士 | 4,000h | 6〜8年 |
2位 | 公認会計士 | 3,500h | 1.5〜2年 |
3位 | 司法書士 | 3,000h | 4〜5年 |
4位 | 税理士 | 3,000h | 4〜5年 |
5位 | 行政書士 | 800〜1,000h | 半年〜1年 |
6位 | 中小企業診断士 | 800〜1,000h | 1年 |
7位 | 社会保険労務士 | 500〜1,000h | 1年 |
8位 | FP1級(ファイナンシャル・プランナー) | 600h | 半年〜1年 |
9位 | 宅地建物取引士 | 500h | 半年〜1年 |
難易度を勉強時間で比較した場合、行政書士試験は初学者で800〜1,000時間ほどかかるため、全体のランキングでは5位です。
上位1〜4位までの国家資格は、飛び抜けて合格までに必要な勉強時間が長い特徴がありますが、行政書士試験はそこまで多くありません。
法律に関する知識が既にある人だと、500〜600時間ほどで合格することも可能です。
難易度を独学の可能性で比較した場合
ランキング | 資格名 | 独学で合格する可能性 |
---|---|---|
1位 | 宅地建物取引士 | ★★★★★ |
2位 | FP1級(ファイナンシャル・プランナー) | ★★★★ |
3位 | 行政書士 | ★★★★ |
4位 | 社会保険労務士 | ★★★★ |
5位 | 中小企業診断士 | ★★★ |
6位 | 公認会計士 | ★ |
7位 | 税理士 | ★ |
8位 | 司法書士 | ★ |
9位 | 弁護士 | 独学不可 |
難易度を独学で合格する可能性で比較した場合、行政書士試験はやや難しい部類に分けられます。
総じて独学だと難しいのはいうまでもないですが、既に法律関連に関する知識が備わっている人に限っては、独学でも十分合格が狙えるでしょう。
逆に初学者から勉強をはじめる方は、独学だとかなり難しいため、通学講座や通信制講座の利用を前向きに検討してみてください。
行政書士試験の難易度に関して受験生の口コミ・評判

2021年の行政書士試験に対する受験生の意見に絞って、感想を分かりやすくまとめてみました。
これから受験を検討されている方は、リアルな意見をぜひ参考にしてみてください。
行政書士試験と他の法律系の資格を比較【試験の特徴】

比較対象の法律系の資格は、次の通りです。
- 司法書士
- 社会保険労務士
- 税理士
- 宅地建物取引士

同じ法律系の資格ということで、行政書士と併せて取得する人も意外に多いです。
司法書士

司法書士試験は、法務省が管轄している国家資格であり、試験の概要は法務省の公式サイトから確認できます。
過去の試験問題なども法務省のサイトで公開されており、自由にダウンロード可能です。
行政書士試験と似通っている資格試験ではあるものの、実際の仕事の業務範囲や出題される試験範囲などが全く異なります。
加えて行政書士の管轄は、総務省になります。
司法書士試験は、行政書士よりも一つ上のランクの資格といっても過言ではなく、難易度も行政書士よりも上です。
社会保険労務士

社会保険労務士は、厚生労働省が管轄している国家資格試験です。
試験自体は、全問マークシート形式となっており、具体的には「選択式試験」と「択一式試験」の2つを1日で受験し、双方合格する必要があります。
行政書士試験と同じように科目ごとに合格基準点が定められているため、片方だけ基準を満たしていても、合格にはなりません。
試験内容の詳細に関しては「社会保険労務士オフィシャルサイト」で確認できます。
税理士

税理士試験は、国税庁が管轄している国家資格試験です。
税理士試験には、受験資格が設けられていおり、試験の難易度は行政書士よりも遥かに上です。
税理士試験には「科目合格制度」が採用されており、5科目全てに合格してはじめて税理士業務に携わることができる「官報合格」が得られます。
その後、2年以上の実務経験を積んだ後に、税理士名簿に登録されると晴れて税理士と名乗れます。
宅地建物取引士

宅地建物取引士(宅建士)は、国土交通省が管轄している国家資格試験です。
宅建士の試験形式は、4肢択一式のマークシート式となっており、行政書士試験と比較すると難易度はそこまで高くありません。
問題数は全50問で1問1点となっており、70%以上点数を獲得できていれば試験合格となります。
他の法律系の資格と比較するとそこまで難易度は高くありませんが、日商簿記2級よりも難しい試験なので、容易に合格できる訳ではありません。
行政書士試験に合格した後のキャリアプラン

仮に行政書士試験に合格した場合、その後のキャリアプランとしては、次のような項目が挙げられます。
- 一般企業の法務部や総務部で働く
- 行政書士事務所で働く
- 起業して独立する
資格を活かした企業への就職を選択する場合、求人数はそれほど多くないため、就職先探しに苦労する可能性があります。
就職活動に活かせる資格であることは確かですが、企業に就職するとなると必然的に、競争率が高くなりがちです。
そのため、行政書士試験を目指す方の多くは、資格を活かした独立開業を前提にしている人が、多い傾向にあります。

行政書士の個人事務所が多いのは、企業の求人数が少ないからに他なりません。
まとめ
行政書士試験とその他の国家資格を比較した際の、難易度ランキングを分かりやすく解説しました。
総合 ランキング | 資格名 | 合格率 | 勉強時間 | 偏差値 |
---|---|---|---|---|
1位 | 弁護士 | 25.9〜39.2% | 4,000h | 75 |
2位 | 司法書士 | 4〜5% | 3,000h | 76 |
3位 | 公認会計士 | 30%前後 | 3,500h | 77 |
4位 | 税理士 | 10〜20% | 3,000h | 68 |
5位 | 中小企業診断士 | ・一次試験:17~42% ・二次試験:18~19% ストレート合格:4% | 800〜1,000h | 67 |
6位 | 行政書士 | 10%前後 | 800〜1,000h | 65 |
7位 | 社会保険労務士 | 6〜7% | 500〜1,000h | 62 |
8位 | FP1級(ファイナンシャル・プランナー) | 10%前後 | 600h | 57〜58 |
9位 | 宅地建物取引士 | 15〜17% | 500h | 55〜59 |
難関資格と呼ばれる弁護士や司法書士、公認会計士、税理士などと比較すると、それほど難しい資格試験ではありません。
しかしながら、誰もが簡単に合格できる資格ではないため、初学者は特に必要な勉強時間の確保が重要になります。
これから受験しようかと悩んでいる方は、まずは勉強時間の確保ができそうかどうか、十分検討するべきでしょう。

初学者の方は、通信制講座を積極的に有効活用して、効率的に勉強を進めていくのがおすすめです。
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