独立したばかりの行政書士は、どうやって営業活動を行い案件獲得を目指せば良いですか?
新人行政書士の具体的な営業戦略を教えてください。
晴れて行政書士試験に合格したは良いものの、その後どうやって仕事を取って行政書士として活動していけばいいのか、悩んでいる人は意外に多いです。
資格はあくまでも補助的なものであり、実際に資格を活かせるかどうかはあなたの能力次第となります。
そのため、中には資格をうまく活かしきれずに、宝の持ち腐れ状態の人も珍しくありません。
この記事では、新人行政書士がゼロから独立するために必要な営業戦略に関して、分かりやすく解説しています。
最後まで読んでいただくことで、あなたに適した営業のやり方が見つかるはずです。
行政書士として活躍できるかは、営業活動にかかっているといっても過言ではありません。
行政書士の営業に必要な実績の作り方
行政書士として営業活動を行う前に、まずは相手にアピールできる実績が必要です。
何も実務経験がない人に、仕事を依頼しようと思う企業や個人はいません。
そのため、まずはじめに営業で活用できる実績や経歴などが必要になります。
特に新人行政書士だとアピールできる実績がないため、はじめは次のような方法で実績作りに着手しましょう。
- 企業や行政書士事務所で実務経験を積む
- クラウドソーシングサイトやスキルシェアサイトを活用する
- 行政書士は実績作りのために共同受注を選択するのもアリ
信頼できる友人や知人を訪ねて直接依頼してもらい、実績を作るのも一つの方法です。
企業や行政書士事務所で実務経験を積む
行政書士試験に合格したからといって、いきなり独立して行政書士業務を行う必要はありません。
行政書士の中には、企業に勤めて試験で培った知識を活かす人も珍しくなく、その他だと行政書士事務所で働くという選択肢も挙げられます。
一度、企業に雇用されるとお金をもらいながら、実務経験が積めるという一石二鳥が狙えるため、将来的に独立を考えている人にも悪くない選択肢です。
ただし、行政書士を対象とした求人情報は意外に少なく、競争率も激しいというデメリットも挙げられます。
就職先を探している方は、まずは友人や知人などの既存の人脈を活用して、コネで入社するなどの方法が最適解かも知れません。
クラウドソーシングサイトやスキルシェアサイトを活用する
クラウドソーシングサイトとは、発注者と受注者をマッチングするためのサービスです。
行政書士の資格を保有している人であれば、最初から高単価な案件獲得も狙える上に、実績作りには大変おすすめでしょう。
たとえばちょっとした申請書類の作成から、法律に関するライティング業務、サイトの監修者業務などが挙げられます。
目に見えて実績が積み重なるため、独立を考えている人には大変おすすめです。
また、ココナラなどのスキルシェアサービスを活用した単発案件の受注も、行政書士の実績作りにとても適しています。
行政書士は実績作りのために共同受注を選択するのもアリ
新人行政書士の間では、共同受注を選択する人も珍しくありません。
共同受注とは、すでに独立しているベテラン行政書士とタッグを組んで、協力して案件を受注するやり方です。
共同で案件を受注するため、報酬は折半になるケースが多いですが、その分実務経験が積めるというメリットがあります。
頼りになる先輩と一緒に業務を行うため、新人行政書士にとっては非常にやりやすいはずです。
行政書士は”無形サービス”なので営業のやり方も工夫が必要になる
行政書士の営業活動では、”無形サービス”を相手に提供することを前提に、成約に結びつかせなければいけません。
実在する商品とは異なり、行政書士が相手に提供するのは目に見えないサービスであるため、その点を考慮した上で営業活動を行う必要があります。
無形サービスであるが故に営業活動では、あなた自身の信頼性が問われる、といっても過言ではありません。
直接会って話す営業が一番効果的
相手からの信頼を勝ち取るには、直接会って話すのが一番効果的です。
どれだけインターネットが普及している現代社会といえども、やはりリアルで直接会って話すという行為は、営業活動でも非常に効果が高いやり方です。
相手と直接会って話すことにより、あなたに対する印象を強く残すことができる上に、直接話すことで上手くサービスの特徴を伝えられます。
ただし、実績も何もない新人行政書士がいきなり飛び込み営業を行っても、高確率で断られますのでくれぐれも注意してください。
営業をかける際には業務内容と業種を絞る
行政書士といってもその業務内容は多岐に渡り、業務によって受け取れる報酬額も大きく異なります。
加えて、どのような業種で行政書士として仕事をするかも重要な項目になりますので、予め業務内容と業種を定めた上で営業活動を行うべきです。
たとえば”自動車登録申請”の報酬目安は1件につき1万円ですが、”建設業許可申請”の報酬目安は、1件につき10〜20万円ほどです。
業種を建設業界に絞って営業を行い、”建設業許可申請”の案件を月に10件も受注できたら、容易に月収が100万円超える可能性があります。
このように得意な業務内容を予め決めておいて、業種を絞った営業活動を行うことにより、より高単価な案件獲得を目指せる訳です。
業務内容別の報酬目安に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
行政書士の営業ではトレンドを抑えることも大切である
行政書士の仕事は、景気に左右されやすい特徴を持っているため、営業活動を行う際にもトレンドを押さえた上で行う必要があります。
たとえば日本では、将来的に外国人労働者の参入が増加するという予測が立てられており、これは行政書士としては非常にチャンスだといえます。
日本で外国人を雇用するためには、さまざまな申請が必要であるため、企業や個人は行政書士に依頼せざるを得なくなるでしょう。
実際に現時点でも多くの企業が、行政書士に対して外国人雇用に関する申請依頼を行なっている状態です。
行政書士はweb集客を活用し営業活動を戦略的に行う
行政書士の営業方法としては、さまざまなやり方が挙げられますが、基本的にwebでの集客は必ず取り組むべき項目の一つです。
NTTドコモの調べによると、日本人のスマートフォン保有率は2022年の段階で94%を超えており、webでの集客は無視できないものとなりました。
高齢者であっても今はスママートフォンを保有しており、調べ物の多くはネットを介して行われています。
行政書士として独立開業するのであれば、最低でもホームページくらいは作成しておきましょう。
web集客のメリット
- 24時間営業マンとして、あなたの代わりに稼働してくれる
- 安定した受注が見込める
- 営業にかかるコストを安く抑えられる
- 不特定多数の人にリーチさせられる
web集客の最大のメリットは、一度インターネット上に公開しておけば後は、自動的に集客を行なってくれる点にあります。
webマーケティングなどの専門的な知識が必要にはなりますが、一度軌道に乗ればあなたが寝ている間も、制作したサイトが働いてくれます。
上手くweb集客できれば、営業にかけるコストもかなり安く抑えられるでしょう。
また、サイト内でメールマガジンへの登録や、独自商品の購入なども促すことができるため、ビジネスの幅がかなり広がります。
web集客のデメリット
- 広告費を出せる企業には負けてしまう
- 価格競争に巻き込まれやすい
- サーバーやドメイン費用などの固定費がかかる
web集客の主なデメリットとしては、広告費などを捻出しない限り、短期的な効果が期待できない点が挙げられます。
仮にインターネット上に広告を出したとしても、より多くの広告費を捻出できる企業には、負けてしまう可能性が高いです。
また、Google検索からの流入を狙うにしても、中・長期的にweb集客に取り組む必要があります。
サイトの維持に関しても、サーバーやドメインなどの固定費がかかってきますので、全くお金がかからない訳ではありません。
余力があればSNS集客にもチャレンジする
ITC総研の調べによると日本では、2022年の段階で全体の82%がSNSを利用している状況です。
最近は、YouTubeやTikTokなどの動画系のSNSを利用する人たちが増えてきており、テキストよりも動画コンテンツの方が好まれる傾向にあります。
行政書士としてYouTubeチャンネルを開設し、動画配信する人も今では珍しくありません。
各SNSは無料で利用できますので、SNSも営業ツールの一つとして利用しない手はないでしょう。
行政書士の営業は相手(個人or法人)によってやり方を変える必要がある
行政書士に限らず営業を行う際には、その相手が個人か法人かによって、やり方を変える必要があります。
アプローチの仕方を間違えてしまうと、全く案件獲得に繋がりませんので、それぞれの特徴を掴んだ上で営業戦略を考えていきましょう。
どんな人をターゲットにして営業活動を行うのかを、最初に考えてみましょう。
個人の場合(toC)
個人は情報の集まる場所に集まる習性があるため、無料相談会の開催や個人ブログの情報発信などで、集客を行うのが効果的です。
個人相手の場合は、できるだけ普段の生活での困りごとに焦点を当てて、解決策を提示するのが得策です。
その上で、行政書士としてサポートしてあげると、個人相手からの案件獲得に繋がる確率が高くなります。
法人の場合(toB)
法人はビジネスがある場所に集まる習性があるため、行政書士としてビジネスサポートできることを、上手く伝える必要があります。
たとえば新規の店舗開業を計画している企業に対して、飲食店の営業許可証の獲得における作業を請け負ったりするのも、行政書士の仕事になります。
どうすれば今よりもビジネスを成長させることができるかに焦点を絞り、行政書士として経営コンサルティングまで行えると尚良いでしょう。
また、顧客になりえる法人を探す際には、さまざまな交流会やセミナー等に顔を出したりして、人脈形成に励むのも一つの方法です。
行政書士は”経営コンサル”として企業と顧問契約を狙うのがおすすめ
行政書士として長く活動していくためには、個人からの案件受注も必要ですが、それ以上に法人からの契約を狙って営業戦略を練る必要があります。
理想をいえば行政書士として法人と顧問契約を結び、経営コンサルティングとして業務を長期的に請け負うのが良いでしょう。
他の士業とは異なり、行政書士は特に単発案件ばかりになりやすいため、収入が安定しない上に常に営業に関して考えなければいけません。
そうならないで良いように、法人と顧問契約が結べるような営業戦略を考えるべきです。
具体的な営業戦略に関しては、他の士業のやり方を参考にしたり、同じ行政書士のライバルの営業のやり方を真似するのもおすすめです。
一度、法人と顧問契約を結ぶと収入が安定する上に、余った時間で他の見込み客に対して、営業をかけることもできます。
行政書士が営業活動を行う上での心構え
行政書士が営業活動を行う上での心構えとしては、次のような項目が挙げられます。
- 最初は誰でも案件受注するのが怖いものである
- なぜ顧客はあなたに頼むのかを考える
新人行政書士の場合は、案件を受注するのに対して少なからず緊張するかもしれません。
ただ、最初は誰しもが案件受注するのが怖く感じるものですので、過剰に心配する必要はありません。
最初は誰でも案件受注するのが怖いものである
行政書士に限らずどのような起業家であっても、独立当初は緊張や不安に苛まれるものです。
特にはじめて案件受注する時に関しては、自分にできるのか不安になりやすく、自信のなさが取引先に伝わってしまい失注する可能性もあります。
とはいえ、ある程度場数をこなせば不安は自信へと変わるため、心配する必要はありません。
万が一、仕事で失敗したとしても命まで失うことはありませんので、真摯に対応して次に活かすように努めましょう。
行政書士としての横の繋がりを普段から作っておき、気になることはベテラン行政書士に聞くことをおすすめします。
なぜ顧客はあなたに頼むのかを考える
数多くの行政書士がいる中から、なぜあなたに取引先が依頼するのかを考えましょう。
自身で考えて分からない場合は、直接取引先になぜ自分に依頼したのかを聞いてみると良いです。
あなた自身の強みが言語化されれば、次の営業活動にも活かせる上に、競合他社との差別化にも繋がります。
逆に自身の強みが分からないまま無闇に営業活動を行なっても、成約率は上がりません。
行政書士の営業に関するおすすめ本3選
行政書士の営業活動に役立つおすすめの本を、3冊に厳選してご紹介します。
- 「行政書士」開業初月から100万円稼いだ 超・営業法
- 戦いたくない士業のためのストレスフリー仕事術
- 急成長を実現する! 士業の営業戦略
士業関連の営業戦略に関しては、ピックアップしている本の中に体系的にまとめられているため、まずは気になるタイトルを手に取ってみてください。
「行政書士」開業初月から100万円稼いだ 超・営業法
本書は、マーケティングのプロが行政書士という資格をどのように活かすべきか、初心者にもわかりやすく解説されている一冊です。
お金や人脈、コネなどが一切ないゼロの状態からスタートした筆者が、どのようにして行政書士として成功したのか、気になる方はぜひとも一度読んでみてください。
また、本書は行政書士以外の職業の方でも、活かせる内容となっています。
\本書の口コミ・評判/
私が開業時に読んだ本です。
以前、この作者の方が書かれた「お金の味」という本の衝撃が凄かったので、どういう内容だろうと思い、購入しました。やはり、私の周りにはいないタイプの方でした。
ただ、その覚悟は学ぶものがあると思い、私は、自分の出来る範囲の真似をさせて頂きました。
出典:Amazonレビュー
戦いたくない士業のためのストレスフリー仕事術
本書は、士業の営業やマーケティングに特化した内容となっており、新人行政書士にもおすすめの一冊です。
特に営業が苦手な行政書士の方に読んで欲しい内容であり、売り込まないマーケティング戦略がわかりやすく明記されています。
士業の将来性などに関しても触れられているため、中・長期的な生存戦略を立てる際にも、役立つはずです。
\本書の口コミ・評判/
著者の文体は、とても読みやすいです。
(書名から受ける印象とは異なり)地に足がついた内容で、士業での開業を考えている方には、実践的に役立つ内容だと思います。
著者の前向きなポジティブシンキングなところが、読後感を良いものにしていますね。
出典:Amazonレビュー
急成長を実現する! 士業の営業戦略
本書では士業における営業戦略に関して、網羅的に解説されている一冊です。
営業だけではなく、その後の事業展開まで筆者の体験談を交えて書かれているため、これから士業として独立する方にはぴったりの本でしょう。
また、すでに独立して事業経営を行っている方の指南書としても、活用できる内容となっています。
\本書の口コミ・評判/
士業で開業して、5年たちます。
私が疑問に思ったこと、また理解出来なかったことがこの本には惜しみなく書かれています。
共著ですが、お二人の士業の業界への熱い想いと感じています。
ぜひ、読んで欲しい本です。特に、開業まもない士業のかたには・・・。
出典:Amazonレビュー
行政書士の営業に関するよくあるQ&A
独立をしている行政書士の間でも営業に関しては、多くの人が不安や疑問を感じているものです。
新人行政書士だと尚のこと、営業に関しては未経験の方が多いため、行政書士業務とは別に営業に関する学習が必要になります。
行政書士の営業に関して不安や疑問がある場合は、身の回りのベテラン行政書士の方に直接やり方を教わるのも一つの方法です。
Q.行政書士の営業手段として電話営業は効果的ですか?
いきなり知らない人へ営業の電話をかけても、高確率で相手にされません。
電話営業するのであれば、ホームページなどからの問い合わせがあった、見込み客から優先的に行うのがおすすめです。
接点が何もない状態でいきなり知らない人から電話がきても、よっぽどトーク力がないと誰も相手にはしないからです。
Q.行政書士の仕事は単発が多く、生き残るが厳しいのは本当ですか?
確かに行政書士の案件は他の士業と比較して、単発なものが多いです。
ただし、生き残るのが難しいかどうかは別問題になります。
すでに行政書士として成功している人も少なくないため、ベテラン行政書士を参考にしながら、真似できる部分は積極的に取り入れていきましょう。
Q.行政書士は常に営業活動をやらないと食っていけませんか?
常に営業活動をやらなければいけない、というわけではありません。
すでに顧客を抱えている行政書士であれば、そこまで営業に力をいれる必要はないでしょう。
逆に顧客がいない新人行政書士の方は、実績を積むためにも積極的に営業活動を行う必要があります。
売上が安定している行政書士は、すでに優良顧客を複数抱えているのが一般的です。
ベテランになると営業はコスパ重視でweb集客だけ、という人も珍しくありません。
Q.行政書士はどうやって競合との差別化を図ればいいですか?
競合との差別化を図るのに一番手っ取り早い方法としては、あなたの得意分野を明確にすることです。
行政書士といっても、その業務内容は多岐に渡りますので、全ての業務をこなす事は困難を極めます。
業務効率の点から考えても全て受け入れるのは非効率なので、行政書士業務の中でも「自分は〇〇の分野が得意」などといった、強みを作るのがおすすめです。
強みが明確化されれば、営業でも相手にアピールしやすくなります。
Q.行政書士試験に合格した後は、一度雇われた方がいいのでしょうか?
実務経験を積むという点で考えると、一度企業や行政書士事務所で2〜3年働くのが一番おすすめです。
その上、独立時にサポートしてもらえるかも知れませんし、業務の一部をあなたに対してアウトソーシングとしてくれる可能性もあります。
行政書士として生き残っていくためには、繋がりを作り大切にする必要があるため、一度雇われるという選択は決して悪い手ではありません。
まとめ
行政書士の営業戦略に関して、初心者の方にも分かりやすく解説しました。
実績がないと案件獲得における成約率も悪くなるため、まずは相手にアピールできる実績が必要になります。
実務経験がない行政書士には依頼は来ませんので、まずは企業や行政書士事務所で働くなどの手段を選択するのも悪くないでしょう。
行政書士として独立するのは簡単ですが、その後生き残っていけるかはあなた次第です。
ぜひともご紹介した営業戦略を参考にして、案件獲得にチャレンジしてみてください。
行政書士に関するご相談は、こちらでも承っています。
お気軽に問い合わせください。
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