過去問で合格する宅建【令和3年第3問 契約上の地位の承継】

宅建

今回は民法から、契約上の地位の承継に関する問題を見てみましょう。

個人として事業を営むAが死亡した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。
ア AがBとの間でB所有建物の清掃に関する準委任契約を締結していた場合、Aの相続人は、Bとの間で特段の合意をしなくても、当該準委任契約に基づく清掃業務を行う義務を負う。
イ AがA所有の建物について賃借人Cとの間で賃貸借契約を締結している期間中にAが死亡した場合、Aの相続人は、Cに賃貸借契約を継続するか否かを相当の期間を定めて催告し、期間内に返答がなければ賃貸借契約をAの死亡を理由に解除することができる。
ウ AがA所有の土地について買主Dとの間で売買契約を締結し、当該土地の引渡しと残代金決済の前にAが死亡した場合、当該売買契約は原始的に履行が不能となって無効となる。
エ AがE所有の建物について貸主Eとの間で使用貸借契約を締結していた場合、Aの相続人は、Eとの間で特段の合意をしなくても、当該使用貸借契約の借主の地位を相続して当該建物を使用することができる。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ

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横断的知識を問う問題です

宅建試験的には珍しい横断的な知識を問う問題です。

ひと目でパニックになる方もいらっしゃったかもしれませんが、一つ一つは過去問の焼き直しも多く、正解にたどり着きたい問題です。

(準)委任契約の終了原因

アは準委任契約です。準委任契約は委任契約の規定を準用するので、委任契約の知識を思い出しましょう。

委任契約が終了するのは以下の原因でした。

  1. 委任者または受任者死亡
  2. 委任者または受任者破産手続開始の決定を受けたこと
  3. 受任者後見開始の審判を受けたこと

というわけで、受任者のAが死亡したわけですから、AB間の契約は終了し、Aの相続人は清掃業務を行う義務を承継しません。

ちなみに委任契約は、各当事者がいつでもその解除をすることができることも押さえておきましょう。

賃貸借と相続

次は賃貸借と相続に関する問題です。

賃貸人が死亡した場合、賃貸借契約は終了せず、相続人は賃貸人の義務を承継します。
したがって、Aが死亡した場合、その相続人は賃貸人の義務を承継します。

なお、賃借権は通常の財産同様、相続の対象となります。
そのため、賃借人が死亡した場合、その相続人は賃借権を承継します。

※エの使用貸借との際を意識すると良いでしょう。

売買と相続

次は売買と相続に関する問題です。

売主の権利義務も買主の権利義務も相続人が相続します。
したがって、売主Aが死亡した場合、その相続人がAの義務を承継します。
原始的に履行が不能となって無効となるということはありません。

使用借権と相続

最後は、使用借権の相続の問題です。
使用貸借は以下の理由で終了します。

  1. 当事者が使用貸借の期間を定めたときは、使用貸借は、その期間が満了することによって終了する
  2. 当事者が使用貸借の期間を定めなかった場合において、使用及び収益の目的を定めたときは、使用貸借は、借主がその目的に従い使用及び収益を終えることによって終了する。
  3. 使用貸借は、借主の死亡によって終了する。

というわけで、借主が死亡し時点で終了し、相続の対象となりません。
無償で借りている以上、権利として弱いわけです。

少し面食らう問題だったかもしれませんが、すべて誤りです。
一つ一つは見覚えのある知識だったのではないでしょうか。
こういう問題をしっかりと拾えるように準備できるといいと思います。

竹井 弘二

FP技能士1級、行政書士
大手資格試験予備校での講師としてキャリアをスタート。その後、IT企業の総務・法務を担当した後、独立。
現在は、就労移行支援事業所を運営し、障がいをお持ちの方の就労をサポートしつつ、集合研修や資格試験の講師も担当する。

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