過去問で合格する宅建【令和3年第2問連帯債務】

宅建

みなさん、こんにちは。

今回から「過去問で合格する宅建」の連載をスタートします。

まずは、令和3年第2問からみていきましょう。

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令和3年第2問【連帯債務】

債務者A、B、Cの3名が、内部的な負担部分の割合は等しいものとして合意した上で、債権者Dに対して300万円の連帯債務を負った場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 DがAに対して裁判上の請求を行ったとしても、特段の合意がなければ、BとCがDに対して負う債務の消滅時効の完成には影響しない。
2 BがDに対して300万円の債権を有している場合、Bが相殺を援用しない間に300万円の支払の請求を受けたCは、BのDに対する債権で相殺する旨の意思表示をすることができる。
3 DがCに対して債務を免除した場合でも、特段の合意がなければ、DはAに対してもBに対しても、弁済期が到来した300万円全額の支払を請求することができる。
4 AとDとの間に更改があったときは、300万円の債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。

連帯債務とは

そもそも連帯債務とはなんでしょうか?

436条
債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次に全ての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。

債権者Dは、A、B、Cのいずれに対しても300万円請求できることになります。
債権者としては、債権回収の確実性が高まるメリットがあります。

一方、Aが300万円支払った場合には、負担部分にしたがって、BやCに請求できます。本文では負担部分が等しいので、AはBとCに100万円ずつ請求できます。
→負担部分は債務者の間で問題になります。

相対効の原則

441条
438条、439条1項及び前条に規定する場合を除き、連帯債務者の一人について生じた事由は、他の連帯債務者に対してその効力を生じない。ただし、債権者及び他の連帯債務者の一人が別段の意思を表示したときは、当該他の連帯債務者に対する効力は、その意思に従う。

連帯債務者は、それぞれ独立した債務を負うので、誰か一人に生じた事由は他の債務者に影響しないのが原則となります。これを相対効の原則といいます。

1の請求や3の免除は原則として他の債務者に影響しません。
なので、「消滅時効の完成には影響しない」し「弁済期が到来した300万円全額の支払を請求することができる」こととなります。

例外的な絶対効

更改、相殺、混同については他の債務者に影響を与えます。これを絶対効といいます。

更改

更改とは、従前の債務に代えて、新たな債務を発生させることを言います。更改により従前の債務が消滅するため、他の債務者も債務を免れることとなります。
なので、「更改があったときは、300万円の債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する」こととなります。

混同

混同とは、債権者を債務者が相続するようなケースで、債権者と債務者が同一人になることを言います。更改により債務が消滅するため、他の債務者も債務を免れることとなります。

相殺

相殺とは、債務者も債権者に債権を有する(要はお互い貸し借りがある)場合に、お互いの債権債務を消滅させる(要はチャラにする)ことを言います。
相殺により債務が消滅するため、他の債務者も債務を免れることとなります。

他の債務者が債権を有している場合

2のようにBがDに債権を有していて相殺できるのにしてくれない場合、他の債務者は支払いをしなければならないのでしょうか?
この場合は、債権を有している債務者の負担部分の範囲で、支払いを拒むことができます。

BがDに対して300万円の債権を有している場合、Bが相殺を援用しない間に300万円の支払の請求を受けたCは、Bの負担部分(100万円)の範囲で支払いを拒むことができることとなります。

竹井 弘二

FP技能士1級、行政書士
大手資格試験予備校での講師としてキャリアをスタート。その後、IT企業の総務・法務を担当した後、独立。
現在は、就労移行支援事業所を運営し、障がいをお持ちの方の就労をサポートしつつ、集合研修や資格試験の講師も担当する。

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