宅建試験対策「権利関係・前半」民法の頻出テーマと学習法

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こんにちは、宅建講師の大野翠です。今回から、宅建試験対策の実践編として各テーマごとに頻出テーマと学習法をまとめていきます。

まず第1回目は「権利関係・前半」です。
権利関係の前半とは問1から10までの民法部分のことを指します。

民法は権利関係だけでなく、この後の法令上の制限や宅建業法、免除科目とも関連する法律の基礎です。ただし、民法は学習範囲が広いためメリハリをつけた学習が必要です。本記事では、学習のコツなども紹介していきます。是非参考になさってください。

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売買と賃貸借は不動産実務の基礎

民法のうち売買と賃貸借は、不動産実務の基礎です。つまり、宅建試験でも売買や賃貸借に関しては重要テーマとみなされています。

関連して、意思能力や制限行為能力者、物権変動なども頻出テーマです。代理や時効、抵当権、債権や債務に関しても比較的よく出題されるテーマです。

このほか、詐害行為取消権や委任、請負、相隣関係など少々細かいテーマが出題されることがあります。

しかし、これら細かいテーマに関しては合否を分ける問題にはなりません。それよりも、前述した頻出テーマを繰り返し学習し知識を得ておくことで、対応できる問題を確実に得点するほうが重要です。

民法分野は他法令の考え方の基礎になっている

民法のうち賃貸借は、不動産も含めたモノの貸し借りを定めたルールです。しかし、家や土地の貸し借りは一般的に長期に及ぶため、通常の賃貸借よりも借り手を守るルールに作り直したのが借地借家法です。

そのため、民法分野の賃貸借の理解を深めておくと、後に続く借地借家法のイメージがつきやすく学習がスムーズです。

同じように民法から派生した法令として区分所有法があります。区分所有法は、民法における共有と考え方の基本は同じです。
共有は、ひとつのものを複数人でわけて利用するためのルールです。

区分所有法は、いわゆるマンションなどの区分所有建物の使い方におけるルールを提示したものです。賃貸借と借地借家法の関係性と同様、民法で共有を理解しておくことで区分所有法もスムーズに理解が可能です。

このように、民法は単体で理解を含めることも大事ですが、他の分野と関連性がある内容は紐づけて学習を進めるとスムーズです。それぞれの間に相互関係ができ、頭の中で各テーマの理解が深まります

限られた学習時間を効率よく進めるためには、このようなポイントを意識するとより良いでしょう。

民法分野の山アテは難しい

民法の出題数は10問です。この10問のうち、必ず出題されるテーマは、この後解説する相続だけです。つまり10問のうち9問は、毎年どのテーマが出題されるかわからないということになります。

宅建試験では、前年度に出題されたため翌年は出題しないというルールはありません。前述した頻出テーマでも、ここ数年にわたって毎年出題されている内容もあれば、全く出題されていない場合もあります。

そのため、いわゆる「山アテ」は難しいです。

では、民法10問(相続以外で9問程度)をどう攻略するかというと、少なくとも民法の幅広い範囲の基礎知識程度は抑えておくことです。
たとえば、時効であれば起算点を意識することや、制限行為能力者それぞれの概要と違いなどです。

民法は、法律の考え方を学ぶ場でもあります。そのため繰り返し問題を解くことでリーガルマインドが定着します。最初は苦手な人が多いですが、過去問を繰り返すことで出題形式に慣れることも重要です。

必ず押さえたい毎年出題される相続

民法で出題される10問のうち、毎年必ず出題されるのが相続です。

最低でも1問出題されますが、過去には2問出題された年もあります。

大きなテーマでわけると相続になりますが、「遺留分と遺留分侵害請求権」「法定相続分」「代襲相続」「相続の承認と放棄、欠格事由」など細かく分かれています。また、相続について計算問題で問われることもあります。

相続の要件や遺言書の種類など基本項目は必ず抑える

相続は民法分野でも必ずといってよいほど出題されます。ただし相続の中でもテーマが細分化しており、どの部分が出題されるかはわかりません。

では、どのように学習を進めたらよいかというと、やはり基本事項は確実に抑えておくようにしましょう。

たとえば、相続の要件についてです。遺言書がある場合は原則としてその内容に従うということや、法定相続人の要件について、法定相続人がいない場合の扱い(最終的には国庫に帰属される)についてなどです。
法定相続人と法定相続分についてはセットで覚えておきたいポイントです。
また遺言書の種類に関する内容も頻出です。検認が必要かどうかなど、遺言書の種類と性質から関連付けて覚えていくと進めやすいでしょう。
あわせて、遺留分も比較的出題されます。兄弟姉妹に遺留分が認められないという内容は超頻出です。

まとめ

権利関係前半の民法部分(問1から問10)は、出題傾向が流動的で対策が取りにくい範囲です。そのため、民法10問部分の学習方法として、民法のテーマ全体において基礎部分はくまなく抑えておくことが重要です。

ひとつのテーマにとらわれて繰り返し学習しても、そのテーマ自体が出題されなかった、ということも大いにあります。

それよりも、全体的に基礎部分の知識定着をはかり、比較的出題されやすいテーマから優先的に知識を深めていくというメリハリをつけた学習がおすすめです。

大野翠

合同会社芙蓉宅建FPオフィス代表(宅地建物取引士/2級FP技能士)
宅建士・FP技能士の資格取得講師の傍ら、資格を生かした専門記事執筆は年間240本以上担当。
保険を売らない独立系FP・どこにも所属しないフリー宅建士として公平中立な立場で幅広く活動している。

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