行政書士試験は、中卒や高卒でも合格できますか?
資格取得を目指すメリットやおすすめの勉強法が知りたいです。
行政書士試験は、毎年合格率10%前後とかなりの難関試験となっています。
受験資格は何も設けられていないため、学歴や年齢、性別、国籍などに関わらず、誰でも受験が可能です。
仮に中卒者が行政書士試験を受ける場合は、本人の能力にもよりますが、最低でも800〜1,000時間の学習時間が必要になります。
特に問題を読み解く力である読解力が試される試験であるため、普段から本や新聞などを読まない人にとっては、かなり難しく感じられるでしょう。
この記事では中卒でも行政書士に合格できるのかに関して、さまざまな視点から分かりやすく解説しています。
最後まで読んでいただくことで、中卒や高卒者がどうすれば行政書士に合格できるのか、ハッキリと理解できるはずです。
実際に中卒の人が、行政書士試験に合格している事例もあります。
行政書士試験は中卒・高卒者でも受験ができる
行政書士試験は、一年に一回(11月中旬ごろ)実施されており、弁護士や税理士などとは異なり、別段受験資格は設けられていません。
本人の学歴に関係なく受験ができるため、老若男女幅広い年齢層が毎年全国各地で受験されています。
ただし、合格できるかどうかは別の話であり、全体の合格率は毎年10%前後とかなり低い水準です。
合格する前に必要な学習時間に関しても、800〜1,000時間とかなりの時間を要します。
合格者の大半が大卒者や、他の士業資格をすでに持っている人たちです。
行政書士試験の中卒・高卒者の合格率
中卒者だけの公的な合格率を示したデータはありませんが、毎年合格している人の8〜9割が大卒者であり、中卒や高卒は稀なケースだといえます。
毎年の合格率が10%前後なので、単純計算するとそのうち中卒や高卒の合格者が占める割合は、約1%という計算になります。
中卒と大卒を比較した場合、一般常識的な知識が欠けている上に、法律関係の知識が全くない状態なのはかなり不利な状態です。
特に中卒者は、読解力の低さが致命傷となるケースが多いため、読解力があまりにも低いと合格まで10年以上かかる可能性もあります。
行政書士試験を中卒・高卒者が独学で合格するのは難しい
中卒や高卒の人が行政書士試験で合格を目指す場合、独学で学習に取り組むのはおすすめしません。
行政書士試験において独学を選択できるのは、法律系の学部を卒業した大学生や、すでに士業資格を持っている人に限られます。
すでにある程度法律に関する知識を持っている人であれば、独学でも合格する確率があります。
しかし、全くの素人が独学で合格を目指すのは、学習の面から考えてかなり非効率です。
中卒・高卒者が行政書士になる3つのメリット
中卒・高卒者が行政書士になるメリットとしては、次のような項目が挙げられます。
- 年収アップが期待できる
- 転職活動で一つのアピール材料になる
- 独立開業すれば学歴に関係なく働ける
行政書士は独立開業型の資格であるため、本人の学歴に関係なく個人で事業を立ち上げることができます。
年収アップが期待できる
厚生労働省の調べによると、行政書士の平均年収は584.4万円という結果が出ています。
対して高卒者の平均年収は、295万円と行政書士と比較して約2倍の差があります。
中卒の公的な平均年収を示すデータはありませんが、高卒よりも低いと考えると行政書士の資格を取得した方が遥かに年収アップが望めるでしょう。
行政書士は、学歴よりも個人の商才による年収への影響が大きいため、今よりも手っ取り早く年収を上げたいと考えている人にはおすすめの資格です。
転職活動で一つのアピール材料になる
行政書士の資格は、社会人の転職活動でも一つのアピール材料になります。
主な転職先としては、行政書士事務所や一般企業などが挙げられます。
転職活動では、行政書士の資格を持っているだけで、法的な知識を持っている証明になるでしょう。
経営者から見ても法律に詳しい人材は、かなり評価が高いです。
独立開業すれば学歴に関係なく働ける
最終学歴が中卒だと就職や転職する際に、苦労するケースがかなり多いです。
しかし、行政書士の資格を持っていれば、個人事業主(もしくは法人)として独立開業することもできます。
資格を持っているだけで、いつでも独立できるというのは一つの強みであり、受験者の多くは独立開業を目指して資格取得に励んでいます。
行政書士になるための3つの方法【中卒・高卒OK】
行政書士になるための方法は、何も行政書士試験に合格するだけではありません。
具体的な方法としては、次の3つの項目が挙げられます。
- 行政書士試験に合格する
- 公務員として行政事務に累計20年以上務める
- 他の士業資格を取得するともらえる
公務員として行政事務に一定期間勤めている人でも、申請すれば行政書士の資格が獲得できます。
行政書士試験に合格する
中卒でも一番可能性があるのが、行政書士試験に合格することです。
行政書士試験は、毎年11月中旬ごろに行われており、全国各地に設けられている受験会場で受験が可能です。
受験料は10,400円であり、申し込み期限は毎年7月〜8月ごろまでとなっています。
詳しくは、行政書士試験研究センターの公式サイトをご確認ください。
公務員として行政事務に累計20年以上務める
行政書士は、公務員として行政事務に累計20年以上務めるだけでも、資格取得が可能です。
高卒者の場合は17年以上となっており、中卒者よりも若干早く資格取得の権利が得られます。
詳細については、行政書士法(第二条)をご確認ください。
他の士業資格を取得するともらえる
行政書士の資格は、特定の士業資格を保有している人でも取得可能です。
具体的には、次のような士業資格が該当します。
- 弁護士
- 弁理士
- 公認会計士
- 税理士
すでに他の士業資格を保有している人は、ダブルライセンス狙いで行政書士を取得することが多く、より法律に詳しい人材になることができます。
行政書士試験に中卒・高卒者が合格するための勉強法
中卒や高卒の人が、行政書士試験に合格するためのおすすめの勉強法としては、次のような項目が挙げられます。
- 予備校などのスクールを利用する
- 通信制講座で学ぶ
基本的に独学はおすすめしません。
なぜなら、大卒者と比較してかなりの学習時間がかかる上に、独学だと学習効率が悪いからです。
予備校などのスクールを利用する
行政書士試験の学習を行うのであれば、予備校などのスクールを利用するのが得策です。
仮に予備校であれば受験に精通したプロの講師が、的確な学習アドバイスを行なってくれる他、試験仲間も作れて一石二鳥です。
学習において一番問題になってくる継続力も、周りに同じゴールを目指す仲間がいれば、かなり違ってきます。
ただし、通学制の予備校やスクールなどを利用するには、まとまった学習資金が必要になるため、金銭面を考慮した上で判断する必要があります。
通信制講座で学ぶ
行政書士試験に関する学習を行うのであれば、オンラインで気軽に学習が行える、通信制講座を選ぶのも一つの方法です。
予備校などとは異なり通学する必要がない他、いつでもどこでも自分のペースで学習に取り組めるのが大きなメリットです。
その上、学習費用も予備校よりも高くありませんので、コストパフォーマンス面でも非常に優れた選択肢だといえます。
ただし、デメリットとしては、学習に対するモチベーション管理が全て自己責任となるため、人によっては途中で挫折する可能性もあります。
中卒・高卒者が行政書士試験を受ける際の注意点
中卒や高卒者が行政書士試験を受ける際の注意点としては、次の2つの項目が挙げられます。
- 試験勉強を途中で投げ出さない
- 無理に独学で学習を進めない
行政書士試験に合格するためには、半年から1年間の勉強期間が必要です。
そのため、人によっては学習が継続できずに、途中で挫折してしまうケースも挙げられます。
試験勉強を途中で投げ出さない
行政書士試験で合格するためには、学習時間にして800〜1,000時間が必要な上に、学習期間で考えると半年〜1年間費やすことになります。
そのため、受験生によっては途中で学習意欲が湧かなくなり、受験前に学習をやめてしまう人も珍しくありません。
学習を習慣化させるためには、最低でも3ヶ月間は集中して取り組む必要があり、個々に学習に対する工夫が必要です。
無理に独学で学習を進めない
中卒や高卒者の方は、無理して独学で行政書士試験に臨むのは無謀だといえます。
なぜなら、大卒者ですら長い人で数年かけて合格を目指す難関試験ですので、これまで勉強を行なってこなかった人からするとかなり厳しいでしょう。
現在は、予備校や通信制講座などの便利な学習サービスがありますので、既存のサービスを利用して賢く学習に取り組むのが賢明です。
実際に中卒から行政書士になった人の意見【ブログ】
添付しているYouTube動画は、実際に最終学歴「中卒」の人が行政書士試験に合格し、独立開業してビジネスを行なっている方の実話です。
現時点で受験しようかと迷っている人は、ぜひとも一度動画の内容を確認した後で、再度検討してみてください。
合格を勝ち取るために必要なのは学歴ではなく、正しい学習方法と学習時間の確保であることが、改めて認識できるはずです。
本気で合格を目指している方は、中卒や高卒という理由で受験を諦めるのではなく、どうすれば合格できるのかを最初に考えてみましょう。
まとめ
中卒や高卒者でも行政書士試験を受験できる上に、合格することも可能であると解説しました。
合格するためには独学では非効率ですので、予備校やスクール、通信制講座などの学習サービスを積極的に利用しましょう。
特に中卒や高卒者の方は、できるだけ効率的に学習を進めるのが得策です。
ダラダラと長い学習期間を設けるよりも、先に学習計画を立てた上で、目的を明確にし継続して学習に取り組むようにしましょう。
具体的な目的(ゴール)があると、学習に対するモチベーション維持にも繋がります。
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