行政書士への相談費用の相場が知りたいです。
実際に依頼する際にはどのような手順で行うのでしょうか?
行政書士への相談費用の相場は、一般的には初回相談料だと、3,000円~10,000円程度です。
正直、相談料金に関しては、行政書士事務所によって異なるため一概にはいえません。
相談する行政書士によっては、無料相談を引き受けているところもありますので、まずは無料で相談に乗ってくれるところを探すのも一つの手段でしょう。
ただし、無料相談だと「15〜30分間のみ」などと、かなり限られた時間となります。
この記事では、行政書士の相談費用や業務依頼する際の費用の内訳、その具体的な手順等に関して、初心者にも分かりやすく解説しています。
単に行政書士といっても、依頼先によって特徴が異なるため、あなたが依頼する業務に適した行政書士を選ぶ必要があります。
行政書士に相談する際の費用相場
行政書士に相談する際の費用は、相談内容や地域、行政書士事務所によって異なりますが、一般的には以下のような相場があります。
- 初回相談料:3,000円~10,000円ほど
- 書類作成等の手続き代行料:5,000円~30,000円ほど
- 会社設立等の特殊な手続きに関する相談料:10,000円~50,000円ほど
ただし、これらはあくまで一般的な相場であり、行政書士事務所によってはより高い費用がかかる場合もあります。
相談内容によっては、弁護士に相談した方が適切な場合もありますので、相談する前に費用やサービス内容について確認することが大切です。
各業務内容別の料金相場に関しては、日本行政書士会連合会の公式サイトで公開されています。
具体的にどのような業務内容を依頼するかによって、総合的な費用が異なります。
行政書士に業務相談するメリット
行政書士に業務相談するメリットとしては、3つ挙げられます。
- 専門知識が豊富
- 手続きがスムーズ
- 費用が比較的安価
行政書士は「街の法律家」と呼ばれるほど、大変身近な法律に詳しい存在です。
特に行政手続きなどの、身近な申請書類の作成などを得意とします。
専門知識が豊富
行政書士は、行政法や民法、商法などの法律に精通しており、各種手続きに必要な書類の作成や申請などの手続きについても熟知しています。
法律や手続きに関する知識が不十分な場合でも、行政書士に相談することで適切なアドバイスを受けることができます。
また、行政書士の中には、ダブルライセンス持ちの人も多いため、行政書士業務だけではなく他の分野にも精通していることも珍しくありません。
手続きがスムーズ
行政書士は、各種手続きに関する書類の作成や申請、手続きの代行などを行うことができます。
手続きの知識がなくても、行政書士に依頼することで手続きをスムーズに進められます。
直近でいえば事業復活支援金などの、申請代行や承認作業などを受け持っていたのが行政書士です。
費用が比較的安価
行政書士は、司法書士や弁護士に比べて、費用が安い特徴を持っています。
初回相談料が無料のところも多いため、気軽に相談することができる上に、弁護士等と比較して行政書士は数が多いのも特徴の一つです。
価格設定は自由に行えるため、実際に業務依頼する際には見積もりを複数もらってから比較し、よく吟味した上で依頼するようにしましょう。
行政書士に業務相談するデメリット
行政書士に業務相談するデメリットとしては、次のような項目が挙げられます。
- 法律相談の限界
- 裁判代理権がない
- 地域によっては、質がばらつく
行政書士は、司法書士や弁護士と比較して母数が多いため、実際に相談する際にはしっかりと調べた上で相談するのが得策です。
法律相談の限界
行政書士は、法律相談に関しては専門的な知識を持っていますが、法律相談の範囲は一般的に限定されています。
そのため、重要な法律問題については、弁護士に相談する必要がある場合があります。
行政書士の独占業務は、官公署に提出する書類および事実証明・権利義務に関する書類の作成代理であり、市区町村の町役場に提出する書類作成や申請などが主な業務です。
司法書士や弁護士とは、得意分野が異なることを認識した上で、どこに相談すべきか判断するようにしてください。
裁判代理権がない
行政書士には、裁判代理権がないため、裁判に関する手続きや代理人業務は行うことができません。
このため、裁判に関する問題がある場合は、弁護士に相談する必要があります。
裁判代理権とは、裁判所での訴訟手続きにおいて、当事者の代理人がその当事者の権利義務を代表して行使することができる権限のことです。
つまり、当事者本人が裁判所に出廷する必要がなく、代理人が代わりに出廷して手続きを行える訳です。
裁判代理人には、弁護士が代表的な存在ですが、法律に基づいて任命された特別代理人や、家族や親族、会社の社員などが代理人となる場合もあります。
地域によっては、質がばらつく
日本行政書士会連合会の調べによると、行政書士の数は2022年10月時点で、51,147人(個人の登録者数)登録されています。
対して司法書士は約2万人、社労士は約4.3万人、弁護士は約4.3万人です。(※)
他の士業と比較して、圧倒的に母数が多いのが行政書士ですので、依頼する際にはよく比較検討した上で行う必要があります。
※参考:日本司法書士会連合会、社会保険労務士白書、日本弁護士連合会
相談する行政書士の4つの選び方
相談する際の行政書士の選び方としては、次の4つの項目が挙げられます。
- 専門分野や保有資格・実績・経歴等の確認する
- 過去の相談者の口コミ・評判等を確認する
- 無料相談で行政書士の人となりを確認する
- 各行政書士の料金相場を比較する
行政書士事務所によって、得意とする業務内容や費用等が異なりますので、必ず依頼する前に下調べを行うようにしましょう。
専門分野や保有資格・実績・経歴等の確認する
行政書士に相談する際には、専門分野や保有資格、実績、経歴等を確認することが大切です。
行政書士は、法律や手続きに関する知識が豊富であるため、専門分野が広いことが一般的です。
しかし、専門分野によっては得意不得意があるため、相談内容に合わせて専門分野を持っている行政書士を選ぶのが良いでしょう。
また、行政書士が保有する資格や実績、経歴等も確認することで、信頼性や実績を判断することができます。
過去の相談者の口コミ・評判等を確認する
行政書士に相談する際には、過去の相談者の口コミや評判を確認することが大切です。
インターネット上には、多くの行政書士事務所の口コミや評判が掲載されています。
口コミや評判を確認することで、行政書士の対応やスキル、料金等を事前に把握することができます。
無料相談で行政書士の人となりを確認する
行政書士に相談する際には、無料相談を利用することで、行政書士の人となりを確認することができます。
無料相談では、相談者と行政書士が直接話をすることができるため、行政書士の人となりや相談者との相性等を確認することができます。
サービスが良くてもあなたとの相性が悪かったり、行政書士本人の人間性に問題があったりすると、後々トラブルの火種になりかねません。
各行政書士の料金相場を比較する
行政書士に相談する際には、各行政書士の料金相場を比較することも大切です。
行政書士の料金は、相談内容や地域、行政書士の経験やスキル等によって異なります。
事前に各行政書士の料金相場を比較し、適正な料金設定かどうかを確認することで、適切な行政書士を選ぶことができます。
行政書士に相談する際の手順と流れ【簡単5ステップ】
行政書士に相談する際の、簡単な5つのステップをご紹介します。
- 行政書士を探す
- 問い合わせ
- 業務相談
- 業務期間や費用等の確認
- 業務開始
行政書士に相談する手順は簡単ですが、行政手続きは複雑なことが多いため、専門家に相談することでスムーズに進めることができます。
実際に行政書士に相談する際は、手順に沿って進めてみてください。
行政書士に相談するには、専門的な知識やスキルを持つ行政書士を選び、手順に従って業務を進めることが大切です。
行政書士を探す
まずは、信頼できる行政書士を探すことが必要です。
インターネットやSNSなどから、自分の住んでいる地域にある行政書士を検索することができます。
知人や家族などから紹介を受けるのも、一つの手段でしょう。
ここでは行政書士の専門分野や料金相場などを確認し、複数の行政書士から比較検討することが大切です。
問い合わせ
業務相談する行政書士を選んだら、まずは問い合わせをしましょう。問い合わせ方法は、電話、メール、オンラインフォームなどがあります。
問い合わせ内容は、業務内容や費用などを伝え、行政書士に相談するための予約を取ります。その際には、無料相談を受け付けているかどうかの確認も必要です。
業務相談
行政書士との業務相談は、直接事務所を訪問するか、オンラインでの面談となります。
業務相談では、相談内容について詳しく聞き取り、解決のためのアドバイスや手続き方法を提供してくれます。
この時点で、どのような業務が必要か、どのような費用が必要かを確認しておきましょう。
業務期間や費用等の確認
業務相談後、行政書士から業務期間や費用などの詳細を伝えられます。
必要な書類や手続きについても詳しく説明してくれるため、不明な点があれば遠慮なく質問しましょう。
また、料金については、事前に相場を調べておくことが大切です。
業務開始
必要な手続きや書類の準備が整ったら、業務が開始されます。
行政書士が代行する手続きについては、依頼者が必要な書類を提出し、手続きの進捗状況を確認しながら進めます。
手続きが完了したら確認書や証明書などが発行され、その後支払いなどの手続きを行ったら、業務終了です。
行政書士に支払う費用の内訳
行政書士に支払う費用は、次の3つに大別されます。
- 手数料(法定費用)
- 報酬(行政書士に対する)
- 経費(印紙代や郵送費など)
行政手続きにおいては、法定費用だけでなく、行政書士の報酬や経費なども必要になるため、費用の内訳を明確に把握することが重要です。
行政書士のサービスを利用する際には、費用の内訳は必ず事前に確認しましょう。
手数料(法定費用)
法定費用とは、行政手続きにおいて法律で定められた手数料のことです。
たとえば、戸籍謄本の発行手数料や印鑑登録手数料、各種申請手数料などが該当します。
法定費用は、行政手続きに必要不可欠な費用であり、行政書士の報酬とは別に支払わなければいけません。
行政手続きの種類や目的によって異なり、金額は法律で定められています。
また、法定費用の支払い方法も、行政手続きを行う役所や機関によって異なります。
一部の手続きでは、インターネットを通じた電子申請が可能な場合があり、クレジットカード等での支払いが可能です。
報酬(行政書士に対する)
行政手続きにかかる手数料以外に、行政書士に対する報酬が発生します。
報酬の金額は、手続き内容によって異なり、交渉や訴訟などの難易度が高い場合は、金額も比例して高くなる傾向にあるため注意が必要です。
報酬は時間単位で設定されることが多く、1時間あたりの料金や、全体の業務量に応じた金額が設定されています。
経費(印紙代や郵送費など)
経費は、必要な場合にのみ発生し、報酬とは別途で支払う必要があります。金額は、行政書士との契約書に基づいて決定されます。
契約書には、手続き内容や期間、費用の内訳などが記載され、依頼者が了承した後に業務開始されるのが一般的です。
また、依頼者が事前に支払う必要がある金額(前払い)が、設定されている場合もありますので、了承する前に必ず確認しましょう。
行政書士への依頼費用が高いと感じたときの対処法
行政書士への依頼費用が高いと感じた時の対処法としては、次のような項目が挙げられます。
- 他の行政書士に相談する
- 業務内容を見直す
- 価格交渉する
- 他の専門家に相談する
地方であっても行政書士事務所は複数存在するケースが多いため、一箇所で納得がいかなかったとしても、別の事務所で安く引き受けてくれる可能性もあります。
他の行政書士に相談する
行政書士は、個人で開業することができるため、競合する多くの行政書士が存在します。
同じ業務内容であれば、行政書士によって料金が異なる可能性が高いです。
一箇所で高いと感じたとしても、他の行政書士事務所に相談することで、費用を比較しコストパフォーマンスの良い行政書士を選ぶできるでしょう。
業務内容を見直す
行政書士に依頼する業務内容を見直すことで、必要な業務のみを依頼し、不必要な費用を削減することができます。
業務内容によっては、行政書士の代わりにあなた自身で手続きを行うのも可能であるため、その分必要な費用を抑えられます。
業務依頼すべきかどうか個人での判断が難しい場合は、一度、無料相談の利用やメール等での問い合わせを行い、直接確認してみると良いでしょう。
価格交渉する
行政書士の依頼費用が高いと感じた場合は、交渉するのも一つの手です。
相場や他の行政書士の料金を調べ、妥当な価格を提示することで、費用の交渉が可能になることがあります。
ただし、適正な報酬を受けることができるよう、行政書士の業務負担や報酬についても、配慮するようにしてください。
他の専門家に相談する
行政書士以外にも、弁護士や税理士、司法書士などの専門家が存在します。
必要な業務に応じて、他の専門家に相談し、費用の比較を行うようにしましょう。
実際に依頼する際には、それぞれの専門家によって扱える業務内容が異なるため、依頼内容を確認してから相談することが大切です。
行政書士に相談する際の4つの注意点
行政書士に相談する際の注意点としては、主に4つ挙げられます。
- 相談内容を具体的に伝える
- 相談料や手数料を確認する
- 契約書や委任状に目を通す
- 個人情報保護に注意する
最初に相談内容を、具体的に伝えることが大切です。
相談内容を具体的に伝える
行政書士に相談する前に、あなたが抱えている問題や相談したい内容を、具体的にまとめておきましょう。
あなたの相談内容によって、行政書士が適切なアドバイスや解決策を提供しやすくなります。
逆に、相談内容が曖昧だと行政書士側も判断がし難くなる上に、無駄に工数がかかってしまう可能性があり、最終的な請求費用にも影響が及びかねません。
相談料や手数料を確認する
相談料や手数料は、行政書士によって異なります。
依頼前に、相談料や手数料についてしっかりと確認し、予算内であるかどうかを判断しましょう。
想定していた費用よりも高い場合は、他の行政書士事務所にも相談してみて、料金を比較するのも一つの手です。
契約書や委任状に目を通す
業務を依頼する場合には、契約書や委任状を作成することがあります。
その際には、内容を十分に確認し、納得した上で署名・捺印を行いましょう。
契約書や委任状は、法的な効力を発揮しますので必ず事前に内容を確認してください。
万が一、不利な契約内容を記載されていたことに気付かず署名してしまうと、後で後悔しかねませんのでくれぐれも注意しましょう。
個人情報保護に注意する
行政書士に相談する際には、あなたの個人情報を伝える場合があります。
そのため、行政書士が適切な個人情報保護対策を講じているかを、事前に確認することが大切です。
中には個人情報を悪用する人もいますので、個人情報保護に関してどのような対策をとっているかは、非常に重要な確認項目の一つです。
行政書士の相談費用に関するよくあるQ&A
行政書士の相談費用に関する多くの悩みや質問等の中から、特に内容が多かったものだけに絞って、それぞれ質問形式でまとめてみました。
初めて行政書士のサービスを利用される方は、必ず事前に調べた上で問い合わせるようにしてください。
Q.行政書士の日当の平均相場はいくらですか?
行政書士の時給の平均相場は、5,000円~20,000円程度です。
仮に、1日8時間労働したとすると、日当は4万〜16万円になります。
ただし、これらはあくまで一般的な目安であり、個々の行政書士によって異なります。
行政書士の業務によっても費用が異なるため、依頼する業務に応じて金額の相談をすることが大切です。
Q.行政書士に離婚相談することはできますか?
調停離婚や裁判離婚の場合、行政書士は離婚の法律相談を行うことができません。
当然、代理人としての手続き等も行えないため、必ず弁護士に相談するようにしましょう。
Q.法律の相談は行政書士と弁護士どちらにすべきですか?
法律の相談を行政書士と弁護士どちらにするかは、相談内容や問題の性質によって異なります。
弁護士は、法律に関する幅広い知識や経験を持ち、裁判所での訴訟や法的手続きの代理をすることができます。
具体的には、離婚や相続、不動産取引、債権回収、企業法務など、多岐にわたる問題に対応可能です。
一方、行政書士は、行政手続きに関する専門家であり、主に各種許認可や申請手続き、法人設立や契約書の作成などをサポートします。
具体的には、会社設立、労働問題、遺言書作成、債務整理、交通事故対応など、民事案件についても対応可能です。
Q.債権回収に関する相談は行政書士にした方がいいですか?
債権回収に関する相談は、基本的には弁護士に相談することが適切です。
弁護士は、債権回収に関する法律知識や、手続きについて専門的な知識を持っています。
Q.行政書士と司法書士だと1時間の相談料はどちらが高いですか?
行政書士と司法書士の相談料は、各々の事務所や地域によって異なりますが、一般的には司法書士の相談料が高い傾向があります。
行政書士や司法書士の相談料は、単純に1時間あたりの金額で比較することはできません。
業務内容や相談の内容、依頼者の地域などによって異なるため、それぞれの事務所で相談料を比較することが重要です。
また、相談料だけでなく、その後の手続きや業務にかかる費用や時間も合わせて比較し、適切な専門家を選択するようにしましょう。
まとめ
行政書士への相談費用の相場や、その内訳等に関して解説しました。
- 初回相談料:3,000円~10,000円ほど
- 書類作成等の手続き代行料:5,000円~30,000円ほど
- 会社設立等の特殊な手続きに関する相談料:10,000円~50,000円ほど
料金はあくまでも目安であり、行政書士事務所によってそれぞれ異なります。
実際に業務依頼する際には、必ず事前に下調べを行った上で、依頼するようにしましょう。
初めて行政書士のサービスを利用される方は、特に契約内容や費用内訳の確認等を、忘れないようにしてください。
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