こんにちは、宅建講師の大野翠です。分野別に紹介してきた宅建試験対策の最後は「免除科目」です
こちらは、5問免除対象者ではない受験生は学習が必要なテーマです。権利関係など他のテーマと比べると学習が手薄になりがちですが、しっかり対策することで確実に得点できます。
試験直前の10月に入ってから本格的に学習しても、十分に間に合う分野です。手を抜かずに確実に学習しましょう。
問46・住宅金融支援機構
宅建試験で問46にあたる「住宅金融支援機構」は、機構の業務内容について問われる問題です。繰り返し出題されるのは「証券化支援事業・買取型」と「直接融資」です。
証券化支援事業の買取型とは、民間の金融機関が実施した住宅関連の貸付債権等を担保とした債権保証のことです。つまり、買取型では機構と一般顧客が直接やり取りをする場面はありません。民間の金融機関を通じた間接的なかかわりであるといえます。
一方「直接融資」の大きなキーワードは「子どもや高齢者関連・災害・地震」です。これらを対象にする場合に関しては、機構が直接融資をします。知識の整理として、機構が直接融資をするのは、民間の金融機関からの貸付に時間がかかりそうな場合であるとイメージしても良いでしょう。災害や地震のための貸付は急を要することから、機構が直接貸付をするという風に、知識の丸暗記ではなく出題論点の根拠を基に自分なりに覚える習慣を付けることをおすすめします。
住宅金融支援機構の頻出テーマは証券化支援事業・買取型と直接融資ですが、学習範囲には次のテーマも含まれています。直近の過去問を確認し、出題されている論点に関してはテキスト等も活用しながら知識を定着させましょう。
- 団体信用生命保険(いわゆる団信)
- フラット35
住宅金融支援機構の学習方法は、やはり過去問の繰り返しが鉄則です。住宅金融支援機構だけでなく、免除科目全般で過去問と類似した問題が多く出題されています。そのため、テキストを読み込んで覚えるのではなく、実際に過去問を解いて知識にしていく方が効率が良いでしょう。
問47・景品表示法
景品表示法では、宅建業者が行う広告や勧誘に関する規定について出題されます。夜間にしつこい勧誘をしてはいけないという内容など、ほとんどの問題が一般常識で解答できます。一方で事前に学習をしておかなければ解けない内容もあります。たとえば「建築後1年未満で居住の用に供されたことが無いもの」という新築の要件についてや、80メートルを徒歩1分と換算することなどです。
景品表示法も他の問題と同じく、過去問を繰り返し解くことで十分に対策可能です。直近の過去問を事前に確認しておくと、似たような論点ばかり問われていることがわかるでしょう。前述した新築の要件や徒歩表示については、近年よく出題されています。
問48・統計
統計問題の攻略法は、前年と比べて数字がどう動いたかを覚えることがポイントになります。「〇年ぶり増加」や「〇年連続」「横ばい」など、数字そのものを覚えるよりも比較している用語を抑えると良いでしょう。
統計に関しては、受験する年の最新情報が出題されます。そのため過去問を繰り返しても、同じ問題は出題されません。ただし、問題文中のどの部分でひっかけとしてくるか傾向を確認することはできます。したがって、統計問題に関しては直前の対策で十分です。
問49土地・問50建物
問49は土地、問50は建物に関してそれぞれ出題されます。いずれも過去問の繰り返しで対応できますが、数年に一度かなり難易度の高い問題が出題される場合があります。その際は「より安全な方」を選ぶと正解する可能性が高いでしょう。
また、土地建物に関しては実際のイメージを視覚的に確認しておくと問題が解きやすくなります。土地であれば三角州や扇状地について、建物では耐震と免振など地震対策の構造についてなどがあります。試験対策で普段利用しているテキストに、土地建物に関する図解が掲載されている場合は活用してみてください。もし図解の掲載がない場合は、インターネットを活用し、過去問で出題された用語を検索し、実際の写真や図で確認しておきましょう。
免除科目まとめ
免除科目全体の攻略法として、直近の過去問を繰り返すことがポイントです。なぜなら、免除科目の出題傾向はパターン化されていることが多いためです。
統計は直前の学習でも十分間に合いますが、しっかり学習しておきたいのは住宅金融支援機構と景品表示法です。この2テーマに関しては、どちらかというと宅建業法や法令上の制限に近い内容です。知識の丸暗記ではなく、なぜそうなるのかについても考えながら知識定着をはかりましょう。
宅建試験全体の学習時間を考えると、免除科目にはそこまで時間をかける必要はありません。免除科目の全てを理解するというより、学習にメリハリをつけて頻出ポイントをもれなく抑えていく方法がおすすめです。
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