令和4年度宅建本試験の合格点と令和5年受験へ向けたアドバイス

宅建
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こんにちは、宅建講師の大野翠です。
令和4年(2022年)宅建試験の合格発表が11月22日に行なわれました。

宅建試験の実施団体である不動産適正取引推進機構の公表によると、本年の合格点数は36点で、合格率は17%という結果です。

https://www.retio.or.jp/exam/pdf/zissigaikyo.pdf

宅建試験の合格率はここ10年ほど15%前後で推移しているものの、受験対策としては近年少し変わりつつあるように感じます。

そこで今回は、本年の宅建試験振り返りと共に来年以降の受験へ向けたアドバイスについて紹介します。ぜひ参考になさってください。

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令和4年宅建試験の概要と過去10年間の動向

不動産適正取引機構が公表した令和4年(2022年)の試験実施概況によると、本年の申込者数273,856人、受験者数226,048人、合格者数38,525人でした。令和2年および令和3年は、新型コロナウイルス感染症対策などの理由から、従来通りの10月試験に加え12月試験も実施されましたが、本年は3年ぶりに10月試験のみ実施されました。

不動産適正取引機構の過去10年間の試験実施概況を確認すると、令和4年の申込者数は283,856人で2番目の多さでした。なお、申込者数が最も多かったのは令和3年試験で、10月と12月の申込者数の合計は296,518人でした。あわせて、この10年で最も申込者数が少なかったのは平成25年で234,586人です。

過去10年のデータをみると、おおむね例年受験申込者数は増加傾向にあることがわかります。令和2年受験分は新型コロナウイルス感染拡大の影響があり、申込者数および受験者数は一時的に減少しましたが、それでも申込者数は259,284人とほぼ例年通りでした。

令和5年の合格を目指すためのアドバイス

これらのことから、宅建試験は今後も人気の試験として申込者数が増えるのではないかと推測されます。

近年はYouTube動画や資格対策の無料サイトが増えていて、工夫次第では独学者でも学習しやすい環境が整ってきました。宅建受験対策の本も多く出版されており、独学のみで合格を目指す場合でも、入手できるツールが多すぎて悩んでしまうという声も多く耳にするようになりました。

過去問で出題傾向を把握し難問攻略よりも頻出テーマを完璧に抑えよう

近年の宅建試験では、過去に見たことがないような問題が出題されることも増えてきました。そのことから、宅建試験では、いわゆる「過去問を回すこと」は意味がないのではないか?など議論されることもあるようです。

しかし宅建試験では、やはり過去問を繰り返すことは合格のために欠かせない学習です。

単に何年分も過去問を繰り返し解くのではなく「どのテーマで、どのような論点で出題されているのか」を意識しながら繰り返すことが肝心です。

過去問を繰り返していると、よく見る問題がわかってきます。よく見る問題は、過去の頻出論点ということです。このような問題は優先して確実に理解していきましょう。

では過去にも出題されておらず、問題の論点自体も毎年出題される内容ではない問題はどうしたらよいのでしょうか。

全く手つかずというのも不安になるとは思いますが、学習の優先順位としては後回しで良いでしょう。それよりも、頻出テーマ(論点)や過去問を繰り返す中で「よく見る問題」の理解を優先しましょう。その上であれば、いわゆる難問と呼ばれる問題も一読しポイントのみ理解するという方法で十分です。

権利関係(民法)の頻出テーマもメリハリをつけた学習を

これまで、宅建合格を目指した学習の進め方として「宅建業法の満点を目指し得点全体の底上げ」を推進するものが多かったです。私自身も、講義や執筆を担当する記事等でそのようにお伝えしてきました。

しかし近年の試験問題や合格点、合格率の推移などを見ると、宅建業法を確実に得点できるのはどの受験生も徹底しているように感じます。つまり、宅建業法を満点近く得点するのは基本で、それ以外のテーマの学習が合否のポイントになっているのではないかと考えます。

令和5年の合格を目指す学習法のアドバイスとして、権利関係も早期に着手したほうが良いでしょう。

ただし、権利関係の民法部分に関しては、学習範囲の全てが出題されるわけではありません。比較的よく出題されるテーマとして次のものがあります。

  • 代理
  • 抵当権
  • 時効
  • 意思表示
  • 制限行為能力者
  • 物権変動
  • 賃貸借
  • 債務不履行
  • 相続

相続に関しては毎年ほぼ必ず1問は出題されますが、相続の中でも「よく出題される論点」とそうではないものにわかれます。その点も意識して、メリハリを付けた学習がおすすめです。

権利関係のうち特別法と呼ばれる問11~14の4問は、毎年必ず出題されます。こちらは民法部分よりも対策が立てやすく、過去問を繰り返すことで出題傾向を把握するという学習方法が有効です。なお、特別法とは次の内容です。

  • 借地借家法(2問出題)
  • 区分所有法
  • 不動産登記法

不動産登記法は、時折とても難しい内容が出題されることがあります。難問に直面したときのために難しい論点を攻略するよりも、過去問の繰り返しで学習可能な基本的な論点を確実にするほうが有効です。

まとめ

令和5年の合格を目指すためのアドバイスとして、宅建業法の得点を満点近く目指すことと並行して、権利関係もメリハリをつけた学習をすすめましょう。この他、法令上の制限や税、鑑定評価などの学習ももちろん必要ですが、いずれも過去問の繰り返しで出題パターンになじむことから始めましょう。

これからも宅建試験は、暗記ではなく「しっかり理解して解く」ことが求められるのではないかと感じます。可能な限り早期から学習をはじめ、少しでも理解を深めながら令和5年の宅建試験合格を目指しましょう。

大野翠

合同会社芙蓉宅建FPオフィス代表(宅地建物取引士/2級FP技能士)
宅建士・FP技能士の資格取得講師の傍ら、資格を生かした専門記事執筆は年間240本以上担当。
保険を売らない独立系FP・どこにも所属しないフリー宅建士として公平中立な立場で幅広く活動している。

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