この記事は、「行政書士試験の勉強に六法って必要?」、「どの六法を選べばいいかわからない!」といったギモンをお持ちの方に、六法の選び方・活用方法について解説しています。
この記事を読めば、以下のことがわかります。
- 本番で得点に結びつく、六法の使い方が学べる!
- 自分の学習方法に合った、六法の選び方がわかる。
私、植田真行は令和3年度の行政書士試験で、独学・一発合格しました。自身の合格体験をもとに、行政書士受験生に役立つ情報を発信しています。
そもそも六法全書って?|自分にあった六法の見つけ方
行政書士試験用に出版されている六法全書には、いわゆる「六法」(憲法・刑法・民法・商法・刑事訴訟法・民事訴訟法の6つの法律)だけでなく、 行政書士試験に出題される行政法や個人情報保護法などの法律も掲載されています。
反対に、行政書士試験対策として出版されていない三省堂の「デイリー六法」や、有斐閣の「ポケット六法」などは、 行政書士試験には出題されない法律が多く掲載されているので、その分重く持ち運びには不向きです。
ご自身に合った六法を選ぶには、やはり実際に書店に足を運んで確認するのが一番です。
行政書士試験対策として出版されている六法も、重要条文に絞って掲載しているものや、判例の有無などいろんなタイプがあります。
この記事で紹介する書籍も参考に、「これなら普段の勉強に取り入れられそう!」と思えるものを、実際に目で見て判断されるのがいいと思います。
独学合格者が選ぶ、おすすめの六法3選
ここからは、私が受験生時代に実際に使った経験のある六法を中心に 、おすすめの六法ベスト3を紹介します。
1位 ケータイ行政書士 ミニマム六法 2022
「ケータイ行政書士ミニマム六法 2022」(三省堂)は、行政書士試験対策として出版されている六法としては非常にコンパクトなものです。
私は本番直前期にこの六法をフル活用して、条文知識を頭に叩き込みました。
この六法の一番のメリットは、条文の括弧書きをページの欄外に記載するなど、読みやすいレイアウトになっていることです。独学や法律初学者の方にとって、一番大事なのは「法律学習のハードルを下げる」ことだと思います。「ケータイ行政書士ミニマム六法」は、条文を読むハードルを下げるための工夫が紙面に凝らされています。
デメリットとしては、試験範囲の条文がすべて網羅できていないことです。特に民法では その傾向が顕著で、 2020年に改正された民法の債権分野では最新条文が掲載されていないものが多く、 より突っ込んだ試験対策には、別の六法に切り替えるか併用する必要があるでしょう。
2位 資格のLEC 行政書士試験 2022年版 合格六法Ⅰ(憲法・民法・行政法)
次にお勧めする六法は、資格予備校のLECから出版されている「行政書士試験 2022年版 合格六法Ⅰ」です。
この六法のメリットは、情報量が多く、ケータイ行政書士ミニマム六法と違って、省略されている条文がありません。また余白が広く、六法に書き込む際に余裕があります。
私は行政法のマイナー条文や民法の改正分野対策に限っては、この六法を使用していました。
デメリットとしては、この六法は2分冊になっており、ボリュームがあることです。また一冊3000円以上するため、六法の中では高価な部類ですね。
3位 行政書士 試験六法 2022年度 (W(WASEDA)セミナー)
3つ目におすすめするのが、早稲田経営出版の「行政書士 試験六法 2022年度(W(WASEDA)セミナー)」です。
この六法には、条文だけでなく過去問と判例が併記されており、かなりの情報量があります。
ですが私は判例が一緒に掲載されている六法は、どちらかというと上級者向けで、独学や法律初学者に不向きだと感じました。例えば、「去年の試験で170点台で不合格だった方が、また受験レベルに知識を引き上げる。」といった使い方には向いていると思います。
条文素読をする時に、併録された判例や過去問が邪魔になるな、というのが率直な感想です。また、 判例の要点や判旨の一部しか載ってないので、判例対策としても情報量がちょっと足りないかな、と感じます。
初学者の判例学習には、TACから出版されている「みんなが欲しかった! 行政書士の判例集」がおすすめです。
試験攻略には、条文素読が必須です|六法はいらない?
私は六法を活用した「条文素読」をすることで、本番でかなりの得点が稼げました。
その理由は、条文の理解が択一問題の対策だけではなく、記述対策としても非常に有効だからです。
記述問題では条文知識がそのまま出題されることが多いです。条文の 主語や、 効果の目的など、条文の細かい部分まで正確に把握しているかが問われます。
よって、 重要条文については受験直前期に素読を繰り返して、短期記憶として定着させた状態で本番に望むことが重要です。
直前期にしっかり記憶を定着させるためにも、日頃から条文に触れる機会を増やして条文知識の土台をつくっておきましょう。
六法にマーカーや蛍光ペンを引くのは待って!合格者もやりがちな失敗
ここからは、六法を使って勉強するときの注意点をお伝えします。
学習の初期段階から、分からない部分に蛍光ペンや マーカーで、条文に線を引くのは あまりおすすめしません。
学習が進んでいくごとに自分が苦手な箇所や、 過去問で頻繁に問われている「ひっかけポイント」などが見えてくるので、 マーカーを引くのはそれからでも遅くないでしょう。
試験本番では持ち込みはできない!
大学の学部試験などとは異なり、行政書士試験では六法を試験本番に見ることはできません。
ただし、試験会場へ参考書等の持参はもちろん大丈夫ですので、早めに会場に行って会場内で最終確認することはできます。(私も頻出条文などを試験が始まる直前まで目を通してました。)
まとめ
ここまで、行政書士試験における六法の選び方や、学習での活用方法について解説してきました。
行政書士試験において、条文知識を正確に理解することが合否を分けると言っても過言ではありません。
合格を確実にするためにも、ぜひ日頃の勉強に六法を取り入れて、 条文を確認する習慣を 身につけましょう。
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