一口に資格試験といっても、独学で合格可能なものや、通信教育や予備校を使わないとかなり厳しいものなど、難易度は千差万別です。中には、税理士などの超難関資格でも独学で合格を勝ち取る人もいますが、全体から見ればごく少数派です。やっぱり、それなりに難易度の高い資格なら、通信教育や予備校を使ったほうが得策でしょう。
しかし、3級ファイナンシャル・プランニング技能士(以下、FP3級)は独学でも問題なく合格を目指せます。そこで、今回の記事ではFP3級の合格を独学で目指す場合の効果的な勉強方法について解説します。
FP3級は独学で合格可能
FP3級が本当に独学で目指せそうな資格なのか、過去に行われた試験の合格率から読み解いてみましょう。
合格率はけっこう高い
こちらは、2021年および2022年に行われたFP3級試験(日本FP協会実施)の合格率をまとめた表です。
実施月 | 合格率(学科) | 合格率(実技) |
2022.9 | 80.78% | 84.44% |
2022.5 | 83.37% | 90.33% |
2022.1 | 87.01% | 90.75% |
2021.9 | 84.69% | 80.50% |
2021.5 | 83.25% | 76.65% |
2021.1 | 87.92% | 86.53% |
出典:日本FP協会「FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ」を元に筆者作成
少なくとも2021年、2022年のデータを見る限りでは、合格率がかなり高い試験であるのがわかるはずです。中でも、2022年1月、5月に実施された試験では、実技試験の合格率が9割を超えています。決して難易度が高い試験とは言えないので、独学でも十分に合格を狙えるはずです。
独学でFP3級を目指す人向け・効果的な勉強方法
独学で合格を目指せる試験とはいっても、勉強する上でのポイントを外してしまうと、不合格になる可能性は十分にあります。
そこで、効果に勉強するために意識してほしいポイントを解説します。
● インプットとアウトプットを繰り返す
● 過去問は必ず解く
● 教材は最新のものを使う
● 実技対策は実際に手を動かす
インプットとアウトプットを繰り返す
P3級をはじめとした資格試験において重要なのは「実際の試験で問題が解けるようにすること」です。
そのため、インプットとアウトプットを繰り返していきましょう。
テキストを読み込み、次に問題演習というパターンを繰り返していけば大丈夫です。
丸暗記にならないよう要注意
試験に合格するためには、専門用語を覚えたりなどの暗記ももちろん重要です。しかし、もっと大事なのは、「なぜこのような決まりがあるのか」「なぜこのような法律があるのか」を理解した上で解くことでしょう。そうすれば、仮に知らない問題が出てきたとしても、答えを導ける可能性が出てきます。
たとえば、このような問題が出たとしましょう。
保険業法の規定によれば、保険会社等が保険契約者や被保険者に対して不利益となるべき事実を告げずに、すでに成立している保険契約を消滅させて、新たな保険契約の申込みをさせる行為を禁止している。
出典:3級ファイナンシャル・プランニング技能士 2015年9月試験 学科 問6
この問題の答えは「×」です。そもそも、保険業法の重要な趣旨の1つに「契約者の保護」があります。問題文で示されている内容は「不利益となる事実を告げずに」と書いてある以上、契約者にとっては不利になりうるのが明白です。わざわざ不利になることをやって良いはずがない、と考えるとおのずと答えは導けます。
過去問は必ず解く
言うまでもないことですが、過去問は必ず解きましょう。特に、FP3級の試験は過去に出題された問題の流用も広く行われています。つまり、同じ問題が出る可能性も高いので、本番前に解いておけば当日の得点源にできるでしょう。
教材は最新のものを使う
教材は最新の問題を使いましょう。FP3級の試験では、最新の法改正情報が反映されて出題されます。古いテキストを使った場合、このあたりがフォローできないかもしれません。試験に合格するための投資と割り切って、できれば新品のテキストや問題集を手に入れてください。
実技対策は実際に手を動かす
実技対策をするなら、実際に手を動かしてください。実技試験は計算問題であるため、制限時間内で正確な処理をするのが必須です。普段の勉強から計算用紙を使い、実際に書きながら解きましょう。これを繰り返すことで、どうすれば分かりやすく、正確な計算ができるかが考えられるようになります。
ポイントを意識して効率的に合格を目指そう
すでに触れた通り、FP3級は決して難しい試験ではありません。しかし、対策が不十分だと落ちる可能性は十分にあります。
特に、これまで資格試験の勉強をまったくしたことがない状態で取り組む場合は、まずは効率的に勉強する方法を自分の中で確立しましょう。そうすれば、1回の試験での合格も視野に入ってきます。
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