簿記2級を取るならネット試験がねらい目!?真偽のほどを確かめてみた

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簿記2級は決して簡単ではない

簿記2級は、税理士、公認会計士などの最難関資格や簿記1級に比べればはるかに簡単です。しかし、実は世間で思われているほど簡単な試験でもない、という事実を、データから読み解いてみましょう。

過去10回分の会場試験の合格率を調べました

こちらは、簿記2級(会場試験)の合格率をまとめた表です。2019年2月実施の第151回試験から、2022年6月12日実施の第161回試験までを盛り込んでいます。

※なお、2020年6月14日に実施するはずだった第155回試験は、新型コロナウイルス感染症の影響により中止となりました。

回(実施日)受験者数(申込者数)              実受験者数               合格者数              合格率 
161(2022.6.12)16,856名             13,118名              3,524名26.9%
160(2022.2.27)21,974名             17,448名              3,057名17.5%
159(2021.11.21)27,854名             22,626名              6,932名30.6%
158(2021.6.13)28,572名             22,711名              5,440名24.0%
157(2021.2.28)45,173名             35,898名              3,091名8.6%
156(2020.11.15)51,727名39,830名              7,255名18.2%
155(2020.6.14)              中止
154(2020.2.23)63,981名             46,939名              13,409名28.6%
153(2019.11.17)62,206名             48,744名              13,195名27.1%
152(2019.6.9)55,702名             41,995名              10,666名25.4%
151(2019.2.24)              66,729名             49,766名              6,297名12.7%

出典:日本商工会議所・各地商工会議所「簿記2級受験者データ」より筆者作成

2021年11月実施の第159回の試験の合格率が30.6%と、かろうじて3割を上回っています。
しかし、それ以外は3割を切っていることがほとんどです。中には、2021年2月28日実施の第157回のように、わずか8.6%にとどまることもありました。100人受験生がいたら、合格できるのは8人~9人という意味なので、いかに難しいかわかるでしょう。

絶対評価なのも影響

簿記検定の合格率が毎回乱高下する原因として、絶対評価の試験である点が指摘できます。
税理士など、他の資格試験では「上位20%を合格とする」など、受験者全体の順位を基準にして合否判定が行われるのも珍しくありません。

しかし、簿記検定の場合はあくまで級ごとの合格基準点(2級の場合は70点以上)に達していない場合は、自動的に不合格になります。
極論すれば、70点以上をとれた受験生が1人もいない場合、合格率が0.0%になる可能性もあるのです

実際にそのような事態にいたる可能性は極めて低いものの、回によっては合格率が極端に低くなるのも納得がいくでしょう。

簿記2級を取るならネット試験がねらい目!?

簿記2級は決して簡単な試験とは言えません。しかし「自分にはムリ」とあきらめる前に、「ネット試験が実はねらい目」をいうことを知ってほしいと思います。

過去2年間の合格率は30%超

日本商工会議所では、2020年12月から、簿記検定2級、3級についてあらたにネット試験をスタートさせました。所定のテストセンターに出向き、パソコンを操作しながら受験する方法です。開始から2022年6月までの合格率は、以下の通りです。

期間       受験者数             合格者数             合格率 
2020年12月~2021年3月     29,043名             13,525名             46.6%
2021年4月~2022年3月106,833名           40,713名             38.1%
2022年4月~2022年6月        21,433名             8,098名37.8% 

出典:日本商工会議所・各地商工会議所「【日商簿記検定試験(2級・3級)ネット試験】受験者データを掲載しました」より筆者作成

少なくとも集計期間中は、40%近い合格率をキープしているといって良いでしょう。

なぜ、ネット試験だと合格率が高い?

日本商工会議所では「どの受験方式を選んでも、出題範囲や問題の難易度は同じ」と公式Webサイトでも明言しています。それでも、なぜネット試験の合格率が明らかに高いのか、筆者なりに理由を考えてみました。

理由1.「お試し受験」があまりない

1つの理由として、ネット試験だといわゆる「お試し受験」があまりないことが考えられます。会場試験の場合、完全に勉強は終わっていないものの、試験の雰囲気を味わうため試しに受けてみるという受験生が一定数混じっていてもおかしくありません。

一方、ネット試験は一通り勉強が終わり、ある程度知識が身についたと思えるタイミングで受験することが可能です。「今ならいける」というタイミングで受ける人も多いため、合格率も高めに出るのでしょう。

理由2.コンディションが良い状態で受験できる

もう1つ考えられるのは、試験を受けるときのコンディションです。会場試験の場合、隣に誰が座るかで結果が左右される可能性はゼロではありません。隣に座った人がものすごい勢いと音で電卓を打つ人だった場合、驚いてしまって本来の力を発揮できない人もいるでしょう。

一方、ネット試験の場合は比較的こじんまりとした会場が多く、他の受験生もあまりいないことが多いです。集中力を保って試験に取り組めるので、良い結果にもつながります。

早く合格したいならネット試験を真剣に検討すべき

受験したのが会場試験、ネット試験のいずれであっても、合格すれば「簿記2級を持っています」と言って構いません。パソコンに抵抗がないなら、自分の学習ペースに合わせて快適に受験できるネット試験も検討してみましょう。

荒井美亜

立教大学大学院卒業(会計学修士)。
専門誌記者、Webマーケティング会社でのライターなどを経て現在はフリーランスライター・独立系FPとして活動。
日商簿記検定1級、税理士簿記論・財務諸表論、2級FP技能士、貸金業務取扱主任者などを持つ資格マニア。
今は宅地建物取引士目指して勉強中です。

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