最近では「小学生が簿記3級に合格」「14歳が日商簿記1級」というニュースもたまに入ってくるようになりました。
さすがに小学生、中学生のうちに日商簿記検定に合格するのはかなり難しいです。数学的センスが非常に優れているか、簿記の勉強自体を楽しめているかでないと厳しいかもしれません。
しかし、高校生にもなれば簿記検定を受験し、合格する人もちらほら出てくるでしょう。
筆者は個人的に、高校生こそ簿記検定に合格しておくと何かとお得だと思っています。
中でも、日商簿記検定2級(以下簿記2級)まで合格しておけば、かなりのアドバンテージになるでしょう。
今回の記事では、高校生が簿記2級を取ることのメリットについて解説します。
高校生が簿記2級を取る3つのメリット
高校生が簿記2級を取る具体的なメリットは、以下の3つです。
メリット1.大学に入学するときに有利
実は、簿記2級合格者を対象にした推薦入学制度や奨学生制度を設けている大学は散見されます。
たとえば、駒澤大学の場合、自己推薦選抜(特性評価型)への出願が可能です。
また、横浜商科大学の場合、高校時代に簿記2級に合格していれば、最大4年間授業料が半額になります。
主に経済・経営・商学系の学部を設けている大学で、このような「簿記検定に合格していれば有利になる」入試制度を設けていることが多いようです。
なお、東京国際大学のように、簿記3級でも推薦入学制度に出願できるケースもあります。
しかし、より多くの大学から選びたい場合は、できれば簿記2級まで合格しておくと良いでしょう。
メリット2.就職するときも便利
高校卒業後は就職するつもりでも、簿記2級があると何かと便利です。
簿記2級は中小企業の一連の経理事務がこなせる程度の知識があるかを問う試験となっています。
つまり「経理として一通りのことはこなせる」という証明としても使えるのです。
また、日商簿記検定自体が知名度の高い資格であるため、自己アピールにも使えます。
一般企業の経理、銀行や信用金庫などの金融機関、税理士法人・事務所など経理の知識が求められる職種であれば、さらに高く評価されるでしょう。
もちろん、一度大学に行き、卒業してから就職するパターンであっても、簿記2級は十分に役にたちます。
面接の際、簿記検定に触れてくれる面接官であれば「実は高校時代に合格しました」と一言添えても良いかもしません。
メリット3 早いうちから難関資格にチャレンジできる
ゆくゆくは会計系の難関資格にチャレンジしたいなら、高校生のうちから簿記を勉強していて損はありません。特に、将来税理士になりたいなら、できる限り簿記2級は早めに合格しておきましょう。
なお、令和5(2023)年度の税理士試験から、簿記論・財務諸表論に関しては受験資格がなくなります
これまでは「大学3年生以上」「日商簿記検定1級合格者」など、かなり細々とした受験資格がありました。しかし、今後は事実上誰でも受験できるようになります。実際に試験が行われないとわかりませんが、高校生や中学生のうちに合格する人も出てくるかもしれません。
いずれにしても、税理士試験の簿記論は簿記2級の知識がないと到底太刀打ちできないので、早めに基本を固めておきましょう。
もちろん、公認会計士や中小企業診断士、簿記1級、ファイナンシャル・プランニング技能検定など、他の資格を受験する際も、簿記2級の知識は非常に役にたちます。
実際、高校生で簿記2級は難しいのか?
実際のところ、高校生が簿記2級に合格するのは難しいのか、考えてみました。
商業高校なら珍しくない
高校の商業科に在籍している場合を考えてみましょう。結論から言うと、簿記2級まで合格する人は珍しくありません。以下の理由が考えられます。
ます、多くの学校で、簿記2級合格を前提としたカリキュラムを導入しているはずです。高校2~3年次の簿記の授業で扱うのが2級の範囲であると考えられます。
さらに、学校によっては部活として「簿記部」が設けられているのも珍しくありません。
主な活動は競技会(コンテスト)に出場し、良い成績を収めることですが、トレーニングの一環として在学中に簿記2級の合格を目指す人も多いでしょう。
普通科高校に通っている高校生でも頑張れば取れる
一方、高校の普通科に在籍している場合、学校の授業で簿記を扱うことはあまりありません。そのため、自分から進んで勉強しないと合格は難しいでしょう。
しかし、簿記には特殊なルールや用語があるとは言え、計算はそう複雑ではありません。小中学校の算数・数学の授業についていけたなら、十分こなせるほどのレベルです。
簿記2級をはじめとした簿記検定にチャレンジしてみたいと思うなら、夏休みに集中して勉強し、ネット試験を受験するのもありでしょう。
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