今回は、「金融資産運用」のうち「金融市場と政策」について解説していきます。
金融市場
金融市場とは、お金の貸し借りをしている市場のことを言います。
金融市場は取引期間によって分けられ、満期までの期間が1年以上の資金を運用、調達する市場で株式市場を長期金融市場で、満期までの期間が1年未満の短期資金を運用、調達する市場短期金融市場と言います。
さらに、短期金融市場は、金融機関のみが参加できるインターバンク市場と、一般企業も参加できるオープン市場に分かれます。
インターバンク市場は、コール市場や手形市場で構成されており、このうちコール市場では、金融機関同士が無担保で資金を借りて翌日には返済する超短期の資金調達手段である無担保コール翌日物が取引されています。
この取引で適用される金利を無担保コール翌日物金利と言います。
金利の変動要因
金利と景気の関係は、通常、景気が良くなると、物を買うためにお金を借りる人が増えるので金利が上昇します。景気が後退する局面では、反対に物を買うためにお金を借りる人が減るので、金利が低下します。
また、物価が上がると、物を買うためにお金がたくさん必要になるため、金利が上昇します。
円を基準とした為替と金利の関係は、円安に為替が動くと輸入製品の価格が上昇するため、インフレーションが起こりやすくなり、金利が上昇します。
反対に、円高に動く場合は、輸入製品を安く仕入れることができますので、インフレーションは起こりづらく、金利は低下します。
また、海外の金利が高くなると、海外で資産を運用した方が得なので、円を売って外貨が買われます。円が売られることで円安を引き起こすので、海外金利が高くなると国内金利は上昇します。
反対に、海外の金利が低くなると、国内で資産を運用した方が得なので外貨を売って円が買われます。円が買われることで円高を引き起こすので、海外金利が低くなると金利は低下します。
金融政策
金融政策とは、物価の安定などを目的として、日本銀行が行う政策のことを言います。
日本銀行は金融政策決定会合で金融政策の方針を定めますが、代表的な政策に預金準備率操作と公開市場操作があります。
預金準備操作
金融機関は、一定割合の預金を日本銀行に預けることが義務付けられています。この一定割合を預金準備率と言います。この預金準備率の引き上げまたは引き下げによって、金融市場の資金量を調整することを預金準備操作と言います。
この預金準備率を日本銀行が引き上げた場合、金融機関はこれまで以上に日本銀行にお金を預けなければなりません。その結果、金融機関の資金量が減り、金利は上昇します。引き下げた場合は、金利は低下します。
公開市場操作
公開市場操作とは、日本銀行が短期金融市場において、手形や国債などの売買を行い、金融市場の資金量を調整することを言います。公開市場操作には、買いオペレーションと売りオペレーションがあります。
- 買いオペレーションとは、日本銀行が市場にある国債などを購入することで、金融市場に資金を供給することができ、その結果、市場の金利が低下する仕組みのことを言います。
- 売りオペレーションとは、日本銀行が所有する国債などを売却することで、金融市場から資金を抜くことになり、その結果、市場の金利が上昇する仕組みのことを言います。
財政政策
財政政策とは、国や地方公共団体が行う政策を言います。例えば、不景気の時に行う公共投資や減税などが挙げられます。
財政政策が、金融政策と大きく異なるのは①政府としての財源を使うこと、②公共事業の創出による歳出の増加や減税による歳入の減少がともなうことの2点になります。
公共事業とは、土木事業など国がお金を使って事業を行うことで、経済に刺激を与えるというものです。
歳出が必要なのですが、近年は社会保障費の増大などから、積極的に行うことはできません。
そのため、公共事業を行う上で、歳入だけで賄えない場合、赤字国債の発行を行うことになり、国の借金が増えることになります。
まとめ
今回は、学科の6教科の3科目目「金融資産運用」のうち「金融市場と政策」についてお伝えしました
経済ニュースや新聞などで出てくる用語が多いですが、なかなか理解できていない分野だったのではないでしょうか。
しっかり復習することでFPのみならず、ビジネスマンとして使える知識が定着するので頑張りましょう。
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