「簿記3級に1週間で合格した」と聞いた場合の反応は、人それぞれです。
「うーん、無理じゃない?」と思う人もいれば「案外いけるかも」と思う人もいる、といったところでしょう。
そこで、簿記検定を含めた資格の受験経験も豊富な筆者が「簿記3級に1週間で合格」は無謀なのか、本気で考えてみました。
簿記3級、1週間で合格は無謀?
「1週間で簿記3級」が無謀かは、その人の簿記学習経験に左右されると筆者は考えています。
初心者ならほぼ不可能
結論からいうと、これまでまったく簿記を勉強した経験のない人が「1週間で簿記3級」は無理です。
そもそも、簿記には「借方」「貸方」など、普段の生活ならまず使わない用語もたくさん出てきます。
その上、実際の試験では問題を見て即座に仕訳を考え、ひっきりなしに手を動かさないと終わりません。
しかも、簿記3級は絶対評価の試験です。100点満点中70点を上回っていなければ、どんな理由があっても不合格になります。
出来はともかくとして、答案用紙に白紙を作ってしまった時点でかなり不利になるのは間違いありません。
ずば抜けて頭が良い人なら別ですが、ほとんどの人にとっては「未経験から1週間で簿記3級」は不可能に近いと考えましょう。
せめて1カ月、ゆとりを持つなら2カ月は準備期間に充てたいところです。
経験があるなら不可能ではない
逆に、これまでに簿記に触れた経験があるなら、十分にチャンスは出てきます。
既に経理として実務経験を積んでいたり、大学などの授業で勉強したことがあったりするなら、基礎的な知識はあるはずだからです。
決して不可能ではありませんが、かなりタイトなスケジュールになります。体力に自信があるならチャレンジする価値はあるでしょう。
【経験者向け】簿記3級に1週間で合格するための勉強法
1日8~10時間の学習時間を確保でき、仕事や学校を通じて簿記に触れた経験があるなら、1週間で合格を目指すのは不可能ではありません。
そこで、あくまで一例ではありますが、スケジュールを立ててみました。
【1~4日目】テキストと問題集を交互にやる
最初のうちは、知識の確認をしていきましょう。
簿記3級のテキストと問題集を買ってきて「テキストを読む→問題集を解いてみる」を繰り返してください。
間違いが多かったり、理解が追い付いていなかったりする部分がある場合は、マーカーや付せんを使って目立たせておきましょう。
復習をする際に、弱点を優先的に潰すという意味で役に立ちます。
【5~6日目】過去問を解いて弱点を潰す
テキストと問題集が一通り終わったら、過去問を解いてみましょう。
少なくとも直近を除いた過去3回分の過去問を解くのをおすすめします。
そして、終わった後は自己採点をし、どこが間違っていたかをチェックしてください。
間違っていた部分に対応する単元のテキストや問題集を復習し、知識を定着させましょう。
【7日目】時間を測って過去問を解く
最終日は、これまで解いたことがない直近1回分の過去問を解いてみましょう。
その際、タイマーを使って本番と同じ60分の試験時間を計るようにしてください。
60分経過した時点で途中でも回答を止め、その時点での回答に基づき採点してみましょう。
終わった後は、これまでと同じように間違っていた部分に対応する単元のテキストや問題集を復習し、翌日に備えてください。
簿記3級にできるだけ短時間で合格するには
簿記3級にできるだけ短時間で合格するためには、勉強の仕方や試験の受け方も考える必要があります。取り入れて欲しい工夫にも触れておきましょう。
アウトプット中心の勉強を心がける
すでに仕事や学校の授業で簿記に触れた経験があるなら、アウトプット中心の勉強を心がけましょう。
まったくの初心者とは違い、ある程度は知識がある状態から勉強をスタートできるからです。
まずは問題を解いてみて、スムーズに回答できなかったり、知識があいまいだったりする部分だけを補完するイメージで取り組みましょう。
短期集中で勉強する以上「やらなくていいことはやらない」を前提にするのをおすすめします。
ネット試験も検討する
本当に1週間で簿記3級に合格したいと思うなら「いつ受験するか」も重要になってきます。勉強に集中できた状態で受けに行くのと、そうでないのとでは明らかにパフォーマンスが違うはずです。
1つの方法として、ネット試験で受験することも考えましょう。
日本商工会議所では、さまざまな資格のネット試験を実施していますが、簿記3級も対象になっています。
「大学が休みになった」「長期連休に入るから仕事が休み」など、自分のスケジュールも踏まえ、受験日を決めて申込みましょう。
万が一不合格になってしまったとしても、すぐに再受験できるのもネット試験の強みです。
規約では「試験日の翌日より、次の予約が最短3日後以降で可能」と定められています。
たとえば、5月14日に受験した場合、5月15日になれば5月18日以降の再受験の申し込みができます。
もちろん、不合格になるのには何か原因があるはずなので、一度振り返りをし、原因を特定してから次の試験に申し込んでも遅くはありません。
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