筆者が大学を卒業したのはもうだいぶ前のことです。それでも、仮に今大学生に戻ったら、ファイナンシャル・プランニング技能士(FP3級)は受験していると思います。
今、ファイナンシャル・プランナーとして仕事をしている立場からしても、大学生にとっては案外お得な資格だと断言できるからです。そこで今回の記事では、FP3級が大学生におすすめの理由を解説します。
理由1.比較的短時間で取得可能だから
1つ目の理由は、比較的短時間で取得可能な資格だからです。
80時間~150時間の学習で合格は目指せる
授業、サークル、アルバイトと、ただでさえ大学生は忙しいです。近年は新型コロナウイルス感染症の関係で、オンライン授業が続いたので事情はやや異なるかもしれませんが、それでも日々課題に追われているのは珍しくありません。試験にパスしさえすれば単位が取れる授業ばかり履修しているのでもなければ、自分の勉強に全精力を傾けるわけにはいかないのも実情です。
しかし、FP3級は80時間~150時間の学習で合格が目指せます。学生生活とも十分両立できるボリュームです。
理由2.安くて良い教材が手に入るから
2つ目の理由は、安くて良い教材が手に入るからです。
市販の参考書、問題集、アプリで十分
詳しくは後述しますが、FP3級は受験者数も多く、社会的な認知度も非常に高い資格です。
そのため、さまざまな教材が出回っています。市販の参考書、問題集、アプリを駆使すれば、初心者からでも独学で合格を目指すことが可能です。
多くの出版社や資格試験予備校が参考書、問題集を出しているので、実際に手にとって見た上で、自分に合うものを選びましょう。また、参考書、問題集の購入者用に学習用のアプリやイーラーニング用のコンテンツを配信しているケースもあります。
YouTubeも案外使える
楽しく学びたい、という人には動画を活用するのもおすすめです。大手動画配信サイトのYouTubeでは、FP3級対策の動画講座も配信されています。参考書や問題集だけではわからないことでも、動画で解説してもらえば分かることは往々にしてあるため、1度試してみるのも良いでしょう。
理由3.社会的な認知度も高いから
3つ目の理由は、社会的な認知度の高いからです。
実は国家資格です
「技能士」と入っていることからもわかるように、日本の国家資格である技能検定制度の一種として行われています。
民間団体が主催する試験に比べるとはるかに認知度が高いため、就職活動でのアピールポイントにも使えるでしょう。
理由4.就職活動に有利になるから
4つ目の理由は就職活動に有利になるからです。
金融機関での評価は特に高い
すでに触れた通り、FP3級は国家試験であり、高い認知度を有しています。
特にニーズがあるのが、金融機関です。日本ファイナンシャル・プランナーズ(FP)協会によれば、調査に参加した金融機関の7割が「大学在学中に学生にはFP3級まで取得してほしい」と考えていることがわかりました。
出典:日本FP協会「金融機関等における FP 資格活用度調査」調査結果
FP3級がアピールポイントになる業界は?
先ほど紹介した通り、金融機関ではFP3級に合格した学生に対し一定の評価をする傾向にあります。これを踏まえて、FP3級に在学中に合格していることがアピールポイントになる業界を考えてみました。
以下の5つの業界を目指すなら、学生時代にFP3級を取得しておく意味はありそうです。
● 銀行(信用金庫、信用組合、労働金庫も含む)
● 証券
● 不動産
● 消費者金融
● 信販(クレジットカード会社含む)
実際のところ、これらの業界の企業に内定した場合、入社前課題の1つとして、FP3級試験への合格が掲げられていることは往々にしてあり得ます。いずれは受験したほうが良い資格である以上、早めに取っておくに越したことはありません。
余力があれば2級も目指そう
現時点で大学1、2年生であり、卒業まで余裕があるなら、FP2級(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)の受験も視野に入れましょう。学生であっても、FP3級に合格していれば、AFP認定研修を受講した上で、FP2級の試験に合格すればAFP登録もできます。
FP2級、AFPまで取得していれば、知識の面だけで言えば即戦力になれるはずです。実際に仕事をしていく中で覚えなくてはいけないことはたくさんある以上、先取りできる知識だけでもあれば大きなアドバンテージになります。
資格がすべてではないけどやる価値はある
「大学生は勉強さえしていれば良い」という考え方には、筆者も賛同できません。大学生は比較的時間が自由に使えるため、社会人になったらできないことにもチャレンジできるのが大きな強みです。しかし、社会人になる時に備え、コツコツと知識を貯めることができるのも学生ならではの強みでしょう。
FP3級は、やり方さえ間違わなければ、大学生活と両立しつつ合格が目指せます。資格がすべてではありませんが、興味があるならぜひチャレンジしてください。
コメント