タックスプランニング2【各所得の計算1】|ファイナンシャルプランナー2級

FP
記事内にプロモーションが含まれています。

今回は、学科6教科のうち4科目目に入ります。「タックスプランニング」のうち「各所得の計算」について解説していきます。

スポンサーリンク

利子所得

利子所得とは、預貯金や公社債の利子などによる所得のことを言います。

利子所得の金額は税金が源泉徴収される前の収入金額です。原則として源泉分離課税の対象となり、所得税(復興特別所得税込み)15.315%+住民税5%合計20.315%が課税されます。

利子所得は原則として源泉分離課税ですが、国債・地方債・公社債投資信託の分配金などの特定公社債等は申告することで税金を納める方法を選択することができ、これを申告分離課税と言います。

申告分離課税を選択した場合、上場株式等の譲渡損失と損益通算することができます。

損益通算とは、利益のある所得金額から損失のある所得金額を差し引くことができる制度のことを言い、これを行うことで所得が圧縮され、その分税負担を減らすメリットが生まれます。

配当所得

配当所得とは、株式配当金や投資信託の収益分配金などによる所得のことを言います。
配当所得は原則として総合課税の対象となり、課税総所得金額に応じて配当控除を受けることができます。

また、上場株式等の配当等については、源泉徴収のみで課税関係が終了する申告不要制度や、上場株式等との損益通算ができる申告分離課税を選択することも可能です。

ただし例外として、発行済み株式の3%以上を保有している大株主が配当金を受け取った場合は、総合課税を選ぶことしかできません。

申告不要制度、もしくは申告分離課税の場合、税率は所得税(復興特別所得税込み)15.315%+住民税5%合計20.315%が課税されます。

不動産所得

不動産所得とは、不動産の貸付による所得のことを言い、土地の賃貸料、マンションやアパートの家賃収入などがあります。

不動産所得の金額は、総収入金額から必要経費を差し引いた金額となり、他の所得と合算して課税される総合課税の対象となります。

不動産所得に損失がある場合は、他の所得と損益通算することができます。この場合、損失のうち土地を取得するための借入金の利子などは損益通算の対象外となります。

また、貸付が事業的規模の場合、青色申告特別控除の適用を受けることができます。

青色申告特別控除額は正規の簿記の原則に従い帳簿を作成している場合で55万円、加えて電子帳簿保存もしくはe-Taxを利用して電子申告する場合は65万円となります。

不動産所得の総収入金額に算入すべきものと必要経費は、以下となります。

  1. 総収入金額に算入すべきもの
    家賃、地代、権利金、承諾料、更新料、礼金、共益費、入居者に返還しないことが確定している敷金・保証金など
  2. 必要経費
    固定資産税、不動産取得税、管理費、修繕費、火災保険などの損害保険料、営業広告費、土地や建物の借入金の利子、減価償却費など

また、土地を取得するための借入金の利子は損益通算の対象にはなりませんが、必要経費にはなります。なお、建物を取得するための借入金の利子は、必要経費、損益通算ともに対象となります。

事業所得

事業所得とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他事業から生じる所得のことを言います。

事業所得の金額は、事業により確定した売上金額などの総収入金額から必要経費を差し引いた金額となります。

必要経費とは、収入金額に対する売上原価、人件費、家賃、水道光熱費、広告宣伝費、接待交際費、減価償却費などがあります。

減価償却とは、建物、車両や備品などの時間の経過や使用にともない価値が減少する固定資産などについて、価値の減少分を定められた期間に応じて、費用に計上する手続きのことを言います。
減価償却の方法として、毎年同じ金額を耐用年数にわたり費用計上していく方法である定額法と、減価償却の対象となる資産の価格に、毎年一定割合をかけて、費用計上していく方法である定率法があり、選定した方法により減価償却費を計算します。

また、売上原価を計算する際、商品の評価方法には、先入先出法、総平均法、移動平均法、最終仕入原価法などがあり、選定した方法により売上原価を計算します。
この際、評価方法を選定しなかった場合は最終仕入原価法を選定したことにされます。

なお、事業所得は、総合課税の対象となり、事業所得が赤字の場合、他の所得との損益通算が可能です。

まとめ

今回は、学科の6教科の4科目目「タックスプランニング」」のうち「各所得の計算1」についてお伝えしました。

今回からは、各所得について細かく見ていきます。難しい用語がたくさん出てきますが、細かく問われることはあまりないので、1つ1つざっくりと概要を押さえていきましょう。

コメント

  1. […] […]

タイトルとURLをコピーしました