筆者が学生の頃は、日本商工会議所の簿記検定と言えば「休みの日に大学かどこかに行って受けるもの」でした。
しかし、今はいつでも受験できるネット試験なるものがあると聞いて驚いています。
「そんなに便利ならぜひ使わないと」と筆者は思うし、同じ考えを持っている人もいるでしょう。
そこで、実際にサンプル問題を解いてみて、わかったことを報告します。
ネット試験の受験を考えている人のお役に立てれば幸いです。
簿記検定ネット試験のサンプル問題を解いてみた
ひとまず、筆者は簿記検定をネット試験で受験したことがないので、日本商工会議所が公開しているサンプル問題(簿記初級)を解いてみることにしました。
こんな感じで進んでいきます
サンプル問題はここからダウンロードできます。
マニュアルに従って必要な設定を済ませて、いざトライ。
問題自体は会計に関する知識を問うもの、仕訳を書かせるもの、残高試算表を作るものなど、これまでの簿記検定と何らかわりません。
しかし、このような画面で勘定科目を選んだり、数字を入力したりしていくので、慣れていないと慌ててしまいそうです。
※問題の流出を避けるため、画像の一部を加工しています。
「数字なんて、0ひとつ多く入力しちゃったらヤバイよね」と思いながら解きつつも、何とか合格しました。
正直、不合格に終わったらこの記事は書けなかったのでほっとしています。
簿記検定サンプル問題を解いてわかったこと
今回筆者が解いたのはサンプル問題ではあるものの、受験を検討している人にアドバイスすべき点がいくつかわかりました。
下書き用紙をなるべく書かない方が有利
まず、簿記検定ネット試験を受験する際は、慣れてきたら下書き用紙に必要最低限のことしか書かないよう習慣づける必要があるでしょう。
制限時間がある以上、直接パソコンに項目を入力できたほうが圧倒的に有利なのは間違いありません。
最終的には、下書き用紙に必要最低限のことだけを書けば問題が解けるようになるのを意識して勉強しましょう。
特に、第1問として出題される仕訳問題は、できればパソコン上の操作だけでクリアしたいところです。
サンプル問題や参考問題は必ず解いてから向かうべき
特にパソコンに苦手意識を持っている人は、日本商工会議所が公開しているサンプル問題や、TACなどの資格試験予備校が公開している参考問題を解いてから本試験に臨みましょう。
パソコンの操作が必要になるため、何をどうすればスムーズに入力が進められるか、何度も練習して体得するしかありません。
簿記の知識は十分にあるのに、パソコンの操作が不得意で不合格になってしまうのはあまりにもったいないです。
回数をこなすことで操作に慣れる部分もあるので、コツコツこなしていきましょう。
プレッシャーに弱い人にはおすすめしない
意外な盲点だと思ったのが、画面に表示される残り時間です。
人によっては残り時間があと何分と表示されると、それだけでプレッシャーを感じ、問題が解けなくなってしまうことだってあるかもしれません。
「自分はプレッシャーに弱い」と思う人は残り時間を見ないようにするか、いっそ従来のように会場での筆記試験に臨むほうが向いているでしょう。
簿記検定ネット試験を受験するには
ここまで簿記検定ネット試験についてかなりネガティブな意見も出してきましたが、パソコンに慣れている人ならそれほど苦にならないかもしれません。「できるだけ早めに、自分の好きな日に受験したい」なら、前向きに検討しましょう。受験する前に知っておきたい情報を紹介します。
基本情報
試験の基本情報をまとめました。
実施級 | 日商簿記検定ネット試験方式(※CBT試験)2級、3級 |
受験資格 | 特になし |
受験可能期間 | 施行休止期間(※)以外、かつ希望するテストセンターの空きがあればいつでも可能。 ※2022年~2023年の場合は以下の通り ・2022年4月1日(金)~2022年4月13日(水) ・2022年6月6日(月)~2022年6月15日(水) ・2022年11月14日(月)~2022年11月23日(水・祝) ・2023年2月20日(月)~2023年3月1日(水) |
出題形式 | ・2級 CBT多岐選択式+記述式5問以内90分 ・3級 CBT多岐選択式+記述式3問以内60分 |
会場 | 全国各地のテストセンター |
受験料 | ■2級:4,720円(税込) ■3級:2,850円(税込) ※事務手数料550円(税込)が別途必要 |
支払方法 | クレジットカード、コンビニ、ペイジー |
変更・キャンセル | 受験日・会場の変更およびキャンセルは可能 ※受験日の3日前まで ※入金後のキャンセルについては別途手数料がかかる |
当日の持ち物 | 運転免許証などの本人確認書類電卓 |
合否はその日のうちに出ます
従来の会場試験型の簿記検定では、合否発表までに1カ月はかかるのが普通でした。
しかし、ネット試験の場合は、合否は試験が終わったらすぐに出ます。
合格した場合でも、残念だった場合でもスコアレポートが配布されるので確認しましょう。
また、合格した場合はスコアレポート内のQRコードからデジタル合格証を取得することが可能です。「やっぱり紙の合格証書が欲しい」という場合は、試験申込の際に使った「受験者マイページ」からPDFデータをダウンロードできるので、印刷しましょう。
再チャレンジはいつから?
簿記検定のネット試験では、残念ながら不合格になってしまった場合でも、すぐに再チャレンジすることが可能です。
ただし「それじゃ明日!」というわけにはいきません。
「試験日の翌日から、次の予約が最短3日後以降で可能」という再受験規約が設けられているためです。
たとえば、6月16日に試験を受験した場合は、6月17日から6月20日以降の試験を予約できるようになります。
何度でも受験はOKなので、果敢にチャレンジしましょう!
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