筆者が受験していた当時の話では、簿記2級は「1~2回受験すればまず受かる」試験と言われていました。しかし、昨今の合格率や試験問題の難易度の上昇を見ていると、そう簡単な試験でもなくなっているようです。筆者がTwitterで探してみたところ「5回受験したけど合格できていない」人も散見されました。
そこで本記事では、苦戦している人のために、合格者である筆者がコツを伝授します。
筆者も1度不合格になっているので、その時に意識したポイントとお考えください。
コツ1.学習時間を確保する
まず重要なのは、学習時間を確保することです。
350~500時間確保するのが前提
一般的に、簿記2級に合格するためには、350時間~500時間の勉強時間が必要と言われています。平日2時間、休日5時間と考えた場合、だいたい4~6カ月程度かかる計算です。
なかなか成果が出ない場合、十分な勉強時間が確保できていない可能性もあります。普段の生活を見直し、学習時間を確保できないか考えましょう。
スキマ時間も活用しよう
もちろん、仕事や学校、家事や育児と同時並行だと、なかなか学習時間を確保するのが難しいかもしれません。
そこでおすすめしたいのが、スキマ時間の活用です。最近は、専門学校の通信講座やYouTubeなど、動画で見られる簿記の教材も充実しています。
アプリで仕訳の練習もできるので、知識の振り返りにも役立つはずです。机に向かってやる、だけが勉強ではないという意識で取り組みましょう。
コツ2.模試はかならず受ける
簿記2級に限らず、資格試験を受験する際は、本試験前に模試はかならず受けましょう。
実際の出題形式に慣れるのも重要
本試験では、限られた時間で大量の問題を解き、合格点である70点をクリアするのを目指さなくてはいけません。簿記2級の場合、大問5問(商業簿記が3問、工業簿記が2問)で構成されています。商業簿記と工業簿記を比較した場合、まだ工業簿記のほうが点数は取りやすいため、取りこぼしがないようにしないといけません。
工業簿記と商業簿記の仕訳問題(第1問)を早めに解き、残った時間で商業簿記の問題を片づけていくという戦略が考えられます。しかし、このような勘所は、模試を解き、実際の出題形式に慣れないとつかめないはずです。
コツ3.図を書いて考える癖をつける
簿記2級を受験するにあたって、特に工業簿記を得意科目にするには、図を書いて考える癖をつけるようにしましょう。
図を書くのは整理するために非常に大事
簿記2級の勉強をすでにしたことがある人なら、ボックス図、勘定連絡図、シュラッター図などの言葉には触れた経験があるはずです。それらの言葉を聞いて、だいたいで良いので書けるなら、合格も近いでしょう。しかし「言葉は知っているけど書けない」なら、かなり危ういかもしれません。
図の意味と形を理解し、書けるようになっているのは、情報を正確に整理し、問題を解く上で非常に重要になります。最初は面倒に感じるかもしれませんが、図はかならず書くようにしましょう。
コツ4.さまざまな参考書に手を出さない
簿記2級に限らず、資格試験に何度も不合格になる人の共通点として、さまざまな参考書に手を出している点が指摘できます。
運命の1冊を見つけよう
はっきり言うと、名の通った資格試験予備校や出版社が出している簿記2級のテキストは、書かれている内容はあまり変わりません。図表やイラストを使ったり、演習問題をアプリでも解けるようにしたりして差別化を図っているだけです。
それでも、実際に使っていると自分の好みに合うかどうかは分かれてくるでしょう。重要なのは、最初に吟味して自分に合いそうな参考書を見つけ、それを最後まで解き切ることです。参考書やテキスト、問題集選びは慎重にしてください。
コツ5.いっそ簿記3級の復習をしてみる
「急がば回れ」という言葉があるように、簿記2級の試験で苦戦しているなら、一度離れて簿記3級の勉強をしてみるのも1つのやり方です。
簿記3級の知識がないと簿記2級の問題は解けない
商業簿記で点数が取れずに落ちてしまっている場合、簿記3級の試験で習得すべきレベルの基礎知識がおぼつかない可能性も十分にあります。簿記3級で学ぶ知識は、簿記2級はもちろん、その後に簿記1級や税理士試験、会計士試験にチャレンジする際の土台になる部分です。
侮ることなく、しっかりと勉強しましょう。「簿記3級なら余裕でしょ」と思っていても、実際に復習してみると抜け・漏れがあるかもしれません。
変える勇気を持とう
簿記2級を含め、何度も試験を受けてうまくいかないと落ち込むのは当たり前です。しかし、どこかで上手に切り替え、これまでのやり方を見直せれば、合格する可能性は上がります。
「自分がうまくいかないのは、うまくいく方法を試してないから」と割り切り、やり方をうまく変える勇気を持ちましょう。
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