今回は、学科の6教科の最初の1科目「ファイナンシャルプランニングと資金計画」のうち「住宅取得プランニング」について詳しく解説していきます。
住宅取得プランニングの重要性
ライフイベントの中で、最も大きな出費をするのは「マイホーム購入」です。
そのため、ファイナンシャルプランナーとして顧客のライフプランに合わせたアドバイスをする上で、住宅取得のプランニングは重要と言えるでしょう。
特に、実際の試験で問われやすいのは「財形住宅貯蓄」、「財形住宅融資」、「住宅ローン(特にフラット35)」になります。
財形住宅貯蓄とは?
財形住宅貯蓄とは、会社員などの勤労者が、住宅の購入や増改築費用のために毎月給与から一定額を天引きして積み立てていく貯蓄商品のことです。
申し込み時の年齢は55歳未満、積立期間は5年以上となっており、条件を満たすことで財形年金貯蓄と合算して元本合計550万円までの利息が非課税となります。
財形住宅融資とは?
財形住宅融資とは、財形住宅貯蓄をしている者が、財形住宅貯蓄残高の10倍(上限4,000万円)を限度に、住宅金融支援機構から融資を受けることができる制度のことです。
財形住宅貯蓄を1年以上継続し、貯蓄残高が50万円以上あり、融資金額が貯蓄残高の10倍以内かつ4,000万円以内であることが条件となっています。
住宅ローンの基礎知識
ここからは一般的な住宅ローンの基礎知識について確認していきましょう。
住宅ローンの仕組み
マイホームの購入は人生でも最も大きい出費となりますが、キャッシュで買うことができる人はごく少数で、ほとんど場合は銀行などで住宅ローンを借りて長い期間で返済していくことになります。
銀行は貸したお金の利息で儲けるために、金利を上乗せし、長期間に渡って利息を支払わせます。これが住宅ローンの仕組みになります。
金利の種類
住宅ローンには金利が3種類あります。
- 固定金利型…借り入れた当初から返済完了まで金利が変わらない。
- 変動金利型…市場金利に応じて半年ごとに金利が見直される。
- 固定金利選択型…最初の数年間は金利が固定され、固定金利期間満了時、改めて固定か変動か選択する。
一般的に固定金利の方が変動金利よりも金利が高くなります。
元利均等返済と元金均等返済の違い
住宅ローンの返済方法にはが2種類あります。
予備知識として、住宅ローンに限らず返済金は元の借り入れた金額部分である元金と、元金に対する利息部分に分けることができるということを押さえておきましょう。
元金均等返済
毎回の返済額のうち元金部分が一定。
特徴としては、返済当初は利息部分が多く返済金額が大きいですが、返済が進むにつれ利息部分が少なくなり、徐々に返済金額が小さくなることが挙げられます。
メリットとしては、支払う利息の総額が元利均等返済よりも少なく済むことが挙げられ、デメリットとしては、返済当初の返済額が大きく返済が苦しくなることや、毎月返済額が変わるので返済計画が立てづらいことが挙げられます。
元利均等返済
毎回の返済額(元金+利息額)が一定。
特徴としては、毎月の返済額が一定であるものの、返済額の内訳が当初は元金よりも利息部分の方が大きく、返済が進むにつれ利息部分が少なくなり元金の方が大きくなることが挙げられます。
メリットとしては、毎月の金額が一定なので返済計画を立てやすいことが挙げられ、デメリットとしては、借入期間中に支払う利息の総額が元金均等返済よりも多くなることが挙げられます。
一般的に住宅ローンは返済計画を立てやすい元利均等返済が選ばれることが多いです。
フラット35とは?
フラット35とは、住宅金融支援機構と民間金融機関が連携して行う住宅ローンのことです。
申し込み時の年齢が70歳未満であり、1億円以下の居住用住宅の購入であることが条件です。
その他以下の条件があります。
住宅の要件、融資額
購入する住宅は、戸建ての場合は床面積70㎡以上、マンションの場合は専有面積30㎡以上である必要があります。
融資限度額は8,000万円(購入価格の100%以内)まで、返済期間は15年以上35年以内となります。
金利等の諸条件
金利は固定金利型になります。
保証人や保証料不要。
年間の返済額は、年収400万円未満の場合は年収の30%以下、年収400万円以上の場合は年収の35%以下となります。
返済方法
元金均等返済か元利均等返済か選択可能。
繰上返済
借入期間中に住宅ローンの一部または全部を返済することを繰上返済と言います。
フラット35の場合、金額100万円から利用可能で手数料はかかりません。
また、インターネットから申請できる「住・My・Note」を利用する場合は10万円から繰上返済可
能です。
まとめ
今回は学科の6教科の最初の1科目「ファイナンシャルプランニングと資金計画」のうち「住宅取得プランニング」についてお伝えしました。
この教科では、住宅ローンや住宅取得に関わる諸制度についてしっかり押さえておきましょう。そして、実際の過去問に目を通し、考えてみましょう。
コメント