今回は、学科6教科のうちの4科目目、「金融資産運用」のうち「株式」について解説していきます。
株式の基礎知識
株式とは、株式会社が資金調達のために発行する証券のことを言います。
また、株式を購入した人を株主と言い、会社に対して以下の3つの権利を有します。
- 会社の経営に参加する権利(経営参加権)
株主は、会社の株主総会に出席し、議案に対して賛成、反対の意思表示をする議決権を行使することができます。これを、経営参加権と言います。 - 配当を請求する権利(剰余金分配請求権)
株主は、会社の利益(剰余金)を配当として受け取る権利があります。これを、剰余金分配請求権と言います。 - 剰余財産の分配を請求する権利(剰余財産分配請求権)
株主は、会社が解散した場合、会社に残った財産を持株数に応じて分配を受ける権利があります。これを、剰余財産分配請求権と言います。
株式の取引単位と証券取引所
株式の取引単位のことを単元株と言い、原則として株式の取引は単元株の整数倍で行われます。
株式は、通常、証券取引所を通じて取引が行われます。国内の取引所は東京、名古屋、福岡、札幌にあり、東京と名古屋の各市場には1部と2部があります。
また、ベンチャー企業を対象にした市場として、マザーズやジャスダックなどがあります。
証券取引所で通常取引を行う場合、決められた時間内で行う必要があり、この決められた時間のことを立合時間と言い、立合時間外で取引する場合を立合外取引と言います。
株式の注文とルール
上場株式の注文方法は、売買価格を指定して行う指値注文と、売買価格を指定しないで行う成行注文の2種類があります。
また、証券取引所を通じて売買する場合、以下の3つのルールがあり、この3つのルールの下、行われる取引のことを、オークション方式と言います。
- 成行注文優先の原則
成行注文優先の原則とは、指値注文より、成行注文が優先される原則のことを言います。 - 価格優先の原則
価格優先の原則とは、同一銘柄について、複数の売り指値注文がある場合、最も低い価格が優先される一方、買い指値注文がある場合、最も高い価格が優先される原則のことを言います。 - 時間優先の原則
時間優先の原則とは、同一銘柄について、同条件で複数の注文がある場合、先に出された注文が優先される原則のことを言います。
また、株価が以上に急騰したり、暴落したりすることを防ぐため、株価の1日の値幅を制限しており、これを値幅制限と言います。
この値幅の限界まで上昇することをストップ高、逆に値幅の限界まで下落することをストップ安と言います。
株式の受け渡しと株券
株式の売買が成立した日のことを約定日と言い、この日を含む3営業日目に受け渡しが行われます。
受け渡される株券については、2009年1月以降、電子化され、証券保管振替機構(ほふり)および証券会社に開設された口座で電子的に管理されるようになりました。
信用取引
信用取引とは、証券会社に一定の委託保証金を預け、その保証金を基準に証券会社から資金を借りて株式を購入したり、保有していない株式を先に売り建てたりする方法のことを言います。
一方、自分の資金で株を売買する方法を現物取引と言います。
信用取引は、証券取引所の規則に基づいて行われる制度信用取引と、投資家と証券会社の合意に基づいて行われる一般信用取引の2種類があります。
制度信用取引の場合、決済期限は最長6ヶ月となります。
信用取引を返済する場合、反対売買による差金決済か現物株を介した返済のどちらか選択することができます。
その他の株式の売買方法
株式の売買は、基本的に単元株で行われますが、単元未満でも売買することができ、以下の2種類があります。
- 株式ミニ投資
株式ミニ投資とは、1単元の10分の1の単位で株式を売買する方法のことを言います。取引価格は翌営業日の始値となります。注意点としては、取引単位が1株の銘柄には利用できないことや、指値注文を出すことはできないことが挙げられます。 - 株式累積投資(るいとう)
株式累積投資(るいとう)とは、毎月一定額ずつ積立方式で株式を購入する方法のことを言います。株式ミニ投資と同じく、指値注文を出すことはできません。
また、このような購入方法のことをドル・コスト平均法と言います。
ドル・コスト平均法は、毎月一定額ずつ購入するので、価格が高い時は少しの株数を、価格の低い時は多くの株数を購入することになり、長期的に行うことで、平均購入単価を下げる効果があると言われています。
まとめ
今回は、学科の6教科の3科目目「金融資産運用」のうち「株式」についてお伝えしました。
株式は、自身が勤めている会社にも大きく関連している上、実際に売買したことがある方もいると思うで、とても身近だったのではないでしょうか。
試験では、株式の基本的な概要がよく問われるので、要点だけでも復習して、試験合格だけでなく、自身の知識の向上を図っていきましょう。
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