ファイナンシャルプランニングと資金計画4【6つの係数】

FP
記事内にプロモーションが含まれています。

今回は、学科の6教科の最初の1科目「ファイナンシャルプランニングと資金計画」のうち「6つの係数」について詳しく解説していきます。

スポンサーリンク

係数ってなに?

前回解説した「ライフプランと3大ツール」にて、「キャッシュフロー表」について解説しました。

ファイナンシャルプランニングと資金計画3【ライフプランニングの手順と3大ツール】

そのキャッシュフロー表の作成にあたり、例えば「今ある100万円を年3%で運用すると10年後にはいくらになっているか?」や、「15年後の学費を準備するために毎年いくら積立てれば良いか?」などといった計算をする必要があります。

こういった計算を簡単に行うために用いるのが係数です。

例えば現在の元本を複利で運用する場合、数年後の金額を求めるためには複雑な掛け算を何度もしなくてはなりません。
時間がかかる上、計算ミスも起こる可能性が高くなります。

そこで、あらかじめ決められた場面で使うことのできる係数を乗じることで大幅に時間やミスを減らすことができます。

6つの係数

それでは実際にどの係数が、いつどのように使われるか、具体的に見ていきましょう。

終価係数

終価係数とは、現在の元本を複利で運用すると、将来元利合計額はいくらになるかを求めるときに使う係数です。
計算式は、「現在の元本×終価係数=一定期間後の元利合計金額」になります。では、実際どのように使うのか見ていきましょう。

(例)100万円の元本を3年間、3%の複利で運用する場合の元利合計金はいくらか?
※3年(3%)のときの終価係数:1.193
100万円×1.193=119万3000円

このように、現在元金に対し、年数と金利に対応する終価係数を乗じて求めます。 実際の問題では、資料として問題用紙に係数表が掲載されていますので、この数値を覚える必要はありません。

現価係数

現価係数とは、将来の目標金額を達成するために、現在必要な元本はいくらになるかを求めるときに使う係数です。

計算式は、「目標金額×現価係数=現在必要な元本」になります。

(例)年利3%複利で運用して3年後に100万円を達成するためには現在いくらの元本が必要か?
※3年(3%)のときの現価係数:0.915
100万円×0.915=91万5000円

年金終価係数

年金終価係数とは、毎年一定額を積立てた場合に、将来いくらになるかを求めるときに使う係数です

計算式は、「毎年の積立額×年金終価係数=一定期間後の元利合計額」になります。

(例)毎年10万円を年利3%で3年間積み立てた場合の元利合計金はいくらか?
※3年(3%)のときの年金終価係数:3.091
10万円×3.091=30万9100円

減債基金係数

減債基金係数とは、将来の目標積立金額を達成するために、毎年いくら積み立てればよいかを求めるときに使う係数です。計算式は、「目標金額×減債基金係数=必要な毎年の積立額」になります。

(例)年利3%で3年後に100万円を達成するために毎年いくら積み立てるか?
※3年(3%)のときの係数:0.324
100万円×0.324=32万2400円

年金現価係数

年金現価係数とは、現在の元本を複利運用しながら、かつ、その元本を毎年一定額取り崩す場合に現在必要な元本を求めるときに使う係数です。

計算式は、「毎年取り崩す金額×年金現価係数=現在必要な元本」になります。

(例)年利3%で運用しながら、毎年50万円を3年間受け取りたい場合に必要な現在の元金はいくらか?
※3年(3%)のときの係数:2.829
50万円×2.829=141万4500円

資本回収係数

資本回収係数とは、現在の元本を取崩して毎年受け取れる金額を求めるとき、または借入金の総額から年間の返済金額を求めるときに使う係数です。

計算式は、「現在の元本×資本回収係数=毎年の取り崩し可能額」になります。

(例)100万円の元金を年利3%で運用しながら、3年間にわたって毎年取り崩す場合に取り崩すことの可能な金額はいくらか?
※3年(3%)のときの係数:0.354
100万円×0.354=35万4000円

係数のセット

実際の試験では、係数の数値について覚えなくても資料として係数表が記載されていますので心配はありません。

しかし、どの場面でどの係数を使うかを知らないと、違う係数を使って解答してしまいます。
そこで各係数については、その場面でどの係数を使うのかしっかり押さえておきましょう。

覚え方としては、セットで覚えることをお勧めします。6つの係数は特性上3セットに分かれます。セットはそれぞれ以下の通りになります。

  1. 元本運用系…終価係数、現価係数
  2. 積立系…年金終価係数、減債基金係数
  3. 取崩し・返済系…年金現価係数、資本回収係数

まとめ

今回は学科の6教科の最初の1科目「ファイナンシャルプランニングと資金計画」のうち「6つの係数」についてお伝えしました。

この教科では、どの場面でどの係数を使うのか、しっかり押さえておきましょう。
そして、実際の過去問に目を通し、考えてみましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました