今回は、学科の6教科の最初の1科目「ファイナンシャルプランニングと資金計画」のうち「ライフプランニングの手順と3大ツール」について詳しく解説していきます。
ライフプランニングとは
ライフプランとはそのまま訳すと「人生設計」となります。
つまり、ライフプランニングとは「人生設計をすること」を指しています。
人生には就職、結婚、子育て、住宅の購入など、様々なライフイベントが発生しますが、あらかじめライフイベントを予測して、計画的にお金の準備をすることが大切であり、そのアドバイスを行うのがファイナンシャルプランナーです。
ライフプランニングの手順
ファイナンシャルプランナーは顧客に対し、様々なライフイベントに備え、的確なライフプランニングを行う必要があります。具体的には以下の手順になります。
顧客との関係確立とその明確化
まずは顧客との信頼関係を築き、顧客からどんなことでもヒアリングできるような関係を目指します。
顧客情報の収集と目標の明確化
顧客の希望をしっかりヒアリングし、目標を定めます。
現状分析
目標に対し、現状で経済面などに問題がないか分析、検討します。
提案書を作成して顧客に説明
顧客にしっかり理解してもらえるよう、丁寧に説明します。
プランの実行支援
顧客がプランを実行できるようアドバイスや助言をします。
プランの定期的な見直し
経済情勢の変動や顧客の考えの変化などで目標自体が変わることもありますので、定期的に見直しをします。
3大ツール
ファイナンシャルプランナーがライフプランを作成する上で「3大ツール」と呼ばれる3つのツールを活用します。3つのツールとは以下を指しています。
ライフイベント表
ライフイベントには結婚や子供の教育、住宅の購入、老後の暮らしなど、様々なイベントがありますが、その中でも住宅取得、教育資金、老後資金は高額になりやすいため、一般的に「人生の三大資金」と呼ばれています。
ライフイベントを表にするメリットは、将来の出来事を把握しやすくなり、事前に資金面等の対策を打つことができることにあります。
キャッシュフロー表
キャッシュフロー表とは、ライフイベント表にプラスして世帯の収入、支出、収支、貯蓄残高まで時系列に加え、それを表にしたものです。
ライフイベント表との大きな違いとしては貯蓄残高まで記載されていることで、より詳細に検討することができるところです。
キャッシュフロー表を作成する際、気をつけることとしては、収入は『可処分所得』で記入することです。
可処分所得とは会社員などの給与所得者であれば、年収から税金(所得税+住民税)と社会保険料を差し引いた手取り収入のことです。実際の手残りで計算することでよい実態に則したキャッシュフロー表ができます。
また、変動率の設定も忘れてはいけません。変動率とは物価の上昇などを考慮した増減率のことです
収入、支出、貯蓄残高には給与の上昇や貯金の利回りなどを考慮した変動率を設定してキャッシュフロー表を作成します。
こうした変動率を加えることでより精度の高いキャッシュフロー表が完成します。
個人のバランスシート
個人のバランスシートとは会社の決算書の一つである貸借対照表の個人版のことで、左側に資産を記入し、右側に負債と純資産を記入します。
法人と同じく、資産の合計と負債+純資産の合計の金額は必ず一致します。
また、株式など相場によって価格が変動するものは取得した価格ではなく、バランスシート作成時の時価で記入します。
そして、生命保険の金額はかけている保険金額や払い込んだ保険料額ではなく、解約した場合に受け取ることができる解約返戻金の金額で記入します。
以上に気をつけながら、個人のバランスシートを作成し、現状を把握できるようにします。
まとめ
今回は学科の6教科の最初の1科目「ファイナンシャルプランニングと資金計画」のうち「ライフプランニングの手順と3大ツール」についてお伝えしました。この教科では、どうやって顧客のライフプランニングしていくのか、しっかり押さえておきましょう。そして、実際の過去問に目を通し、考えてみましょう。
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