今回は、学科の6教科の最初の1科目「ファイナンシャルプランニングと資金計画」のうち「教育資金プランニング」について詳しく解説していきます。
教育資金プランニングの重要性
一般的に子供にかかる教育資金は小学校から大学まで、ずっと公立でも1,000万円くらい、ずっと私立だと2,000万円くらい、医学部だとそれ以上にかかると言われています。
特に子供が大学に進学するとなると、大学の受験費用や、入学時の費用、遠方だと仕送りや下宿費用がかかることから早めに資金を準備しておく必要があります。
そのため、ファイナンシャルプランナーとして教育資金のプランニングをすることは非常に重要なことであると言えます。
今回は教育資金プランニングの中でも特に出題が多い「学資保険」、「教育ローン」、「奨学金」について詳しく解説したいと思います。
学資保険とは?
子供の教育資金を準備するために保険料を積み立てる商品で、子供の入学や卒業に合わせて18歳や22歳などの満期が設定されています。
また、万が一契約期間中に契約者である親が死亡(高度障害含む)した場合、一般的に以降の保険料支払いは免除される保険料払込免除特約が付帯されています。
教育ローンの基礎知識
学資保険によって教育資金を積み立てたとしても、大学にかかる資金を全て自己資金でまかなうのは大変です。
そこで頼れるのは教育ローンです。教育ローンには国の教育ローン(教育一般貸付)と民間金融機関の独自の商品の2種類があります。
ここでは、ファイナンシャルプランナー2級試験で出題される国の教育ローン(教育一般貸付)の特徴を押さえましょう。
国の教育ローン(教育一般貸付)
国の教育ローンは正式には「教育一般貸付」と呼ばれ、学生1人あたり350万円(海外留学資金は450万円)以内の融資を受けることができる制度です。
大学の入学金や授業料だけでなく、下宿費用や定期代、教科書やパソコン購入代金の支払いなどに使っても問題なく、資金の使い道は幅広く設定されています。
借り入れの窓口は日本政策金融公庫で、金利は固定金利、返済期間は原則15年以内になります。
子供の人数に応じて年収制限があり、年収が多すぎる人は借りることができません。
教育ローンの審査に学力は関係ありません。
次に説明する日本学生支援機構の奨学金との併用も可能です。
奨学金の基礎知識
教育資金を調達するうえで、日本学生支援機構の奨学金制度を活用するという手段もあります。
教育ローンでは契約者の親が返済するのに対して、奨学金制度では基本的に学生が卒業後に返済することになります。(返済自体が不要な奨学金も存在します)
奨学金は誰でも利用できるわけでなく、親の年収や子供の学力などの一定の基準による選考が行われます。
そのため、親の年収が多かったり、子供の成績が基準に満たなかったりした場合、奨学金制度は利用できなくなるので注意が必要です。
また、日本学生支援機構の奨学金には種類があり、以下の3種類に分かれます。それぞれ特徴を押さえましょう。
- 貸与型(第1種奨学金)…無利子。第2種より選考基準が厳しい。第2種との併用可能。
- 貸与型(第2種奨学金)…有利子(在学中は無利子)。第1種との併用可能。
- 給付型…返済不要。住民税非課税世帯や生活保護を受けている家庭など、経済的に困窮している学生に対象が限定されています。
貸金業法
最後に前回説明した住宅ローンや今回の教育ローン等の融資に関する予備知識として貸金業法について説明しますので、押さえておきましょう。
貸金業法では、消費者金融やクレジットカードのキャシングなど個人が無担保で借り入れできる金額は、原則として年収の3分の1までと制限されています。このことを総量規制と言います。
また、住宅ローン、自動車ローン、銀行、クレジットのショッピングなどは貸金業法の対象外となります。
まとめ
今回は学科の6教科の最初の1科目「ファイナンシャルプランニングと資金計画」のうち「教育資金プランニング」についてお伝えしました。
この教科では、教育資金を準備するための諸制度について特徴をしっかり押さえておきましょう。そして、実際の過去問に目を通し、考えてみましょう。
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