
この記事では、ITパスポートのマネジメント系の大分類最後の1つ「サービスマネジメント」について詳しく解説していきたいと思います。
サービスマネジメントとは
サービスマネジメントとは、サービス業におけるマネジメント手法の1つです。
問題内容は、サービスマネジメント・システム監査の2つに分類されます。
サービスマネジメント
ITサービスマネジメントの目的や考え方について、サービスサポートについて、ファシリティマネジメントについて、などに関する内容が問われます。
システム監査
監査業務、内部統制について、更にシステム監査の目的について、といった知識が問われます。
サービスマネジメントの勉強法は?
サービスマネジメントでは、ITサービスマネジメントやITILといった管理方法やフレームワーク、手法に関する内容がよく出題されます。
まず手法やプロセスの全体の流れを掴めるといいでしょう。
その上で用語を理解していないと得点出来ないものがあるので、しっかりと覚えておくと点数アップにつながりやすいです。
いくつか確認してみましょう。
- ITサービスマネジメント
IT部門の業務を「ITサービス」としてとらえ、体系化することでIT運用の効率化を図り、サービスの品質を高めようとする運用管理の方法です。 - ITIL(Information Technology Infrastructure Library)
ITサービスマネジメントのベストプラクティスを集めたフレームワーク。アイティルと読む。 - サービスレベル合意書
サービス提供者と利用者の間で取り決めたサービスの品質と範囲を明文化したもの。 - サービスレベル管理
サービス提供者と利用者の間で取り決めたサービスレベルを達成するために、PDCAサイクルでサービスレベルの維持・向上を図ること。 - 可用性管理(サービス稼働率などの管理)
サービスが使いたいときに使える度合い(サービス稼働率)を管理すること。 - サービスサポート
日常的なITサービスの運用手法です。いくつかのプロセスと機能によって成り立つ。
その他にシステム監査でよく出題される用語も見ていきましょう。
- 監査
企業活動が正確かつ妥当であることを調査・報告すること。企業が独立した監査法人へ監査を依頼する。 - 会計監査
企業の会計(決算)に対する監査。 - システム監査
被監査部門から独立した立場で、情報システムを幅広い観点から調査し、システムが経営に貢献しているかを判断すること。 - 情報セキュリティ監査
情報セキュリティ監査とは、情報セキュリティに関するリスク管理が効果的に実施されるよう、情報セキュリティ対策やその運用状況を、専門的知識を持った第三者が客観的に評価を行い、保証あるいは助言を与えること。
サービスマネジメントの例題に挑戦!
それでは腕試しに、サービスマネジメントの例題に挑戦してみましょう!
<例題>
システムの利用者数が当初の想定よりも増えてシステムのレスポンスが悪化したので,増強のためにサーバを1台追加することにした。動作テストが終わったサーバをシステムに組み入れて稼働させた。この作業を実施するITサービスマネジメントのプロセスとして,適切なものはどれか。
A、インシデント管理
B、変更管理
C、問題管理
D、リリース及び展開管理
<解答>D、リリース及び展開管理
選択肢のそれぞれのプロセスが受け持つ作業範囲は次のとおりです。
- A、インシデント管理
システムの異常終了や構成機器の障害発生などのようにサービスの中断やサービス品質の低下につながるような事象が発生した時に、サービスの中断時間を最小限に抑えて速やかに回復することを目指す。 - B、変更管理
変更作業にともなうリスクを管理し、リスクとメリットを考慮してリリースを実施するかどうかの評価を行う。 - C、問題管理
インシデントの発生原因を究明し、特定した原因についての恒久的な対策を提示する。 - D、リリース及び展開管理
変更管理プロセスで承認された変更作業について、実際のサービス提供システムへの変更作業を行う。
設問では、新たなサーバを本稼働しているシステムに組み入れる作業を実施しているので「D、リリース及び展開管理」が適切です。
まとめ
今回はマネジメント系の大分類の一つサービスマネジメントについて詳しく説明しました。
管理方法やプロセスなどの全体の流れを掴みつつ、専門用語をしっかり覚えて、過去の問題を繰り返し勉強すると覚えやすいでしょう。
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