秘書検定は3級、2級、準1級、1級と4つの階級に分かれていますが、今回は3級試験に焦点を当てて解説していきます。
最後に、実際に出た試験問題の実例を出しますので難易度の参考にしていただければと思います。
ぜひ問題にも挑戦してみてください!

3級の試験概要
概要
秘書検定3級は「初歩的な秘書の業務について理解し、初歩的な秘書業務を行うのに 必要な知識・技能を持っている」ことが求められており、秘書検定の中では最も入門的な資格です。
受験資格
秘書検定は各級で受けるために必要な資格や条件はなく誰でも受験可能です。
試験日
年3回の試験実施になります。例年6月、11月、2月に実施しており、2021年の実施日程は下記のとおりです。
- 第123回 2021年2月7日(日)
- 第124回 2021年6月13日(日)
- 第125回 2021年11月14日(日)
- 第126回 2022年2月6日(日)
また、3級の試験時間は2時間です。
試験形式
試験形式は1次試験(ペーパーテスト)で、9割が選択式のマークシート、1割が記述式となっており、文章の穴埋め問題が多くなっています。
試験時間は120分で、合格ラインは、「理論」「実技」で両方とも60%以上とされています。
合格率
過去の合格率を見ると
- 第118回 71.3%
- 第119回 52.5%
- 第120回 69.7%
各回によりばらつきがありますが平均6割以上の人が毎回合格しています。
出題内容
出題内容は、以下とおりです。
Ⅰ. 必要とされる資質
(1)秘書的な仕事を行うについて備えるべき要件
(2)要求される人柄
Ⅱ. 職務知識
(1)秘書的な仕事の機能
Ⅲ. 一般知識
(1)社会常識
(2)経営に関する知識
Ⅳ. マナー・接遇
(1)人間関係
(2)マナー
(3)話し方、接遇
(4)交際の業務
Ⅴ. 技能
(1)会議
(2)文書の作成
(3)文書の取り扱い
(4)ファイリング
(5)資料管理
(6)スケジュール管理
(7)環境、事務用品の整備
このように秘書検定3級は「秘書的な仕事の機能を知っている」「時事的な問題に関心がある」「社会常識を身につけている」など、基本的な事柄からの出題となっています。
まずは、秘書になるための「適性」と「最低限、必要な知識」を持っているかどうかを、問われる特徴が強いといえるでしょう。
3級も、2級と同じく、筆記試験のみですから、実務経験のない学生でも、参考書や過去問題に取り組むなど、独学でも取得が可能といわれています。
高校生の受験も多く、社会人として身につけておきたい“基本のき”のビジネスマナーとして、秘書検定3級の資格の取得を推奨する学校もかなりの数に上っています。
最後に秘書検定3級ではどんな問題が出るのか実際の問題に挑戦してみましょう!
例題
問1
次は秘書A子が、名刺整理について先輩から教えられたことである。中から不適当と思われる選択肢を一つ選び答えよ
A 新しく名刺箱に入れる名刺には、受け取った日付を書き入れる。
B 普通より小さい名刺でも、別にせず一緒に整理するのがよい。
C 使わなくなった名刺は、別にまとめて保存するのがよい。
D 分類法には各種あるから、自分の最も探しやすい方法を選ぶ。
E 名刺を入れる場合は、ガイドのすぐ後ろに入れる。
答え C 使わなくなった名刺は捨てたほうが良い。
問2
次は、電話を受ける際の注意点を説明したものである。選択肢の中から不適切と思われるものを一つ選び答えなさい。
A 受話器を取ったら、社名、課名、名前を名乗る
B 用件は聞き間違いをなくすために最後に確認する。
C ベルが鳴ったらすぐに受話器を取る
D まずはこちらの用件を伝え、それから相手の用件を聞く
E メモの用意をする。
答え D 用件があるために相手方が電話してきたのだから、まずは相手の用件を聞く。こちらにも用件がある場合は相手方の用件を聞いた後で話す。
問3
次は、略語とその省略されていない語の組み合わせである。次の選択肢の中から不適切と思われる選択肢を一つ選び答えよ
A 内需==国内需要
B 公取委==公正取引委員会
C 労基法==労務基本法
D 地銀==地方銀行
E 外為==外国為替
答え C 労基法とは、労働基準法の略語のことです。
まとめ
秘書検定3級は秘書の初歩を学ぶ資格であるとともに社会人としての基礎を作る大切な資格です。
まだ学生の方で「社会人のマナーを知りたい」という方や、「今までお客さんと対面する機会が減っていたので改めてビジネスの作法や社会常識を勉強し直したい」という方など、多くの人が勉強する良い機会になると思います。
皆さんも合格を目指して頑張ってください。
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