みなさん、こんにちは。youtubeで簿記3級講座を展開しておりますが、それをブログでも紹介します。動画が良い方は下の動画をどうぞ。
決算とは、1年間の経営成績をまとめる手続きをいいます。
基準となる日を決算日をいいます。決算日は会社が独自に決めることができます。3月31日の企業が多いようですが、それ以外の日(12月31日や9月30日など)の会社もあります。
では決算の手続を見ていきましょう。
決算の手続
- 決算整理前残高試算表の作成
- 決算整理
- 決算整理後残高試算表の作成
- 帳簿の〆切
- 貸借対照表・損益計算書の作成
となります。以下順を追って見ていきましょう。
試算表の作成
(例題)
現金を6,000円受け取って、3,000円支払った。なお、資本金は3,000円とする。
合計試算表 |
||
借方合計 |
勘定科目 |
貸方合計 |
6,000 |
現金 |
3,000 |
|
資本金 |
3,000 |
6,000 |
|
6,000 |
決算の準備として、当期の仕訳をまとめます。それが合計試算表です。
残高試算表 |
||
借方残高 |
勘定科目 |
貸方残高 |
3,000 |
現金 |
|
|
資本金 |
3,000 |
3,000 |
|
3,000 |
残高試算表は、期末の残高をまとめたものです。
合計残高試算表 |
||||
借方残高 |
借方合計 |
勘定科目 |
貸方合計 |
貸方残高 |
3,000 |
6,000 |
現金 |
3,000 |
|
|
|
資本金 |
3,000 |
3,000 |
3,000 |
6,000 |
|
6,000 |
3,000 |
合計試算表と残高試算表を合わせたものが、合計残高試算表となります。
決算整理
試算表は、あくまでも仕訳を集計しただけであり、決算時に残高の整理や修正をします。それが決算整理です。
以下決算整理を行う項目を上げてみます。
- 貸倒引当金
- 現金過不足
- 経過勘定
- 減価償却
- 商品
- 消耗品
- 貯蔵品
貸倒引当金
貸付金や売掛金を回収できれば問題はありませんが、数多く取引をしていると一定割合で回収できないケースが生じます。それが貸倒れです。
決算時に、貸倒れのリスクを見積もる作業を行います。それが貸倒引当金です。
具体的には、貸付金や売掛金に一定の割合(%)をかけて求めます。
(例題)
売掛金残高10,000円に対して3%の貸倒引当金を計上する。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
貸倒引当金繰入 | 300 | 貸倒引当金 | 300 |
売掛金10,000円×3%で、貸倒引当金が求められます。
貸倒引当金は、売掛金(資産)を減らすものになるため、貸方に記載をします。
借方には、貸倒引当金繰入(費用)を記載します。
(例題)
売掛金残高10,000円に対して3%の貸倒引当金を計上する。なお、貸倒引当金の残高が500円ある。
300円の貸倒引当金が必要ですが、すでに500円分計上されています。したがって、200円減らすことができます。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
貸倒引当金 | 200 | 貸倒引当金戻入 | 200 |
貸倒引当金が減ったので、借方に記載をします。
貸方には、貸倒引当金戻入(収益)を記載します。
(例題)
売掛金200円が貸倒れた。なお、貸倒引当金の残高が500円ある。
不幸にも売掛金200円の回収に失敗しました。
この場合、貸倒引当金を利用します。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
貸倒引当金 | 200 | 売掛金 | 200 |
貸倒引当金が減ったので、借方に記載をします。
回収できなかった売掛金は、売掛金(資産)が減ることになるので、貸方に記載します。
(例題)
売掛金200円が貸倒れた。なお、貸倒引当金の残高が150円ある。
先ほどと異なり、貸倒引当金だけでは、貸倒れた200円をカバーできません。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
貸倒引当金 貸倒損失 | 150 50 | 売掛金 | 200 |
この場合には、貸倒損失という勘定を使用します。
(例題)
貸倒として処理した200円のうち50円を現金で回収した。
最後に、貸倒れたと思ったらラッキーなことに50円回収できた場合です。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
現金 | 50 | 償却債権取立益 | 50 |
貸倒れの処理をした段階で、その債権は消滅(償却)したと考えます。
償却したものが返ってきたということで「償却債権取立益」(収益)として貸方に記載をします。
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