みなさん、こんにちは。youtubeで簿記3級講座を展開しておりますが、それをブログでも紹介します。動画が良い方は下の動画をどうぞ。
前回に続いて、現金等の貸し借りの場面を見ていきましょう。
立替金・預り金
従業員の支払を立て替えた場合に「立替金」という勘定を使用します。
(例題)
従業員の家賃500円を現金で立て替えた。その後、給料(1,000円)から差し引いて回収し、給料は現金で渡した
建て替えた分は後で返ってくる資産なので、借方に記載をします。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
立替金 | 500 | 現金 | 500 |
給料から差し引くことで立替金が回収されました。資産が減るので、貸方に記載をします。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
給料 | 1,000 | 立替金 現金 | 500 500 |
従業員に給料を支払う際、源泉所得税を差し引きます。その場合に「預り金」という勘定を使用します。
(例題)
従業員の給料(1,000円)から源泉所得税100円を差し引き、現金で支払った。預かった源泉所得税は後日現金で税務署に納付した。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
給料 | 1,000 | 現金 所得税預り金 | 900 100 |
預かった源泉所得税は、後日税務署に納付する負債です。したがって、貸方に記載をします。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
所得税預り金 | 100 | 現金 | 100 |
税務署に納付することによって、預り金という負債がなくなります。したがって、借方に記載をします。
従業員に給料を支払う際、社会保険料を差し引きます。その場も「預り金」を使用します。
(例題)
従業員の給料(1,000円)から社会保険料100円を差し引き、現金で支払った。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
給料 | 1,000 | 現金 社会保険料預り金 | 900 100 |
(例題)
預かった社会保険料100円に会社負担分100円を加えて当座預金から納付をした。
社会保険料は、本人負担分と会社負担分があります。会社負担分については「法定福利費」という費用になります。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
社会保険料預り金 法定福利費 | 100 100 | 当座預金 | 200 |
仮払金・仮受金
用途・金額が確定する前に支払われる・受け取る金銭のことを言います。
支払う場合を「仮払金」、受け取る場合を「仮受金」と言います。
(例題)
出張旅費として、現金300円を概算払いした。
仮払金は、後で返ってくる可能性もある資産です。したがって、貸方に記載をします。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
仮払金 | 300 | 現金 | 300 |
(例題)
出張が終了し、旅費として500円使用したことがわかったので、不足分を現金で渡した。
旅費は費用ですので、貸方に記載をします。そのうちの300円は仮払金を使用したため、仮払金という資産が減るので、借方に記載をします。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
旅費 | 500 | 仮払金 現金 | 300 200 |
商品券・他店商品券
お店独自の商品券を発行する場合があります。発行した場合やお客様が使った場合の処理を見てみましょう。
(例題)
自社の商品券1,000円を発行し、代金は現金で受け取った。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
現金 | 1,000 | 商品券 | 1,000 |
商品券は、後日サービスを提供する義務(債務)なので、負債として貸方に記載をします。
(例題)
500円の商品を売上げ、代金は商品券で受け取った。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
商品券 | 500 | 売上 | 500 |
商品券が使用されることにより、負債が減るので、借方に記載をします。
(例題)
500円の商品を売上げ、代金は他店の商品券で受け取った。
他店の商品券での支払いを認めているケースもあります。
他店商品券は、後でその店からお金を受け取ることができる権利=資産なので、借方に記載をします。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
他店商品券 | 500 | 売上 | 500 |
(例題)
他店商品券500円と引き換えに現金を受け取った。
借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
現金 | 500 | 他店商品券 | 500 |
他店から支払いを受けると、他店商品券という資産はなくなりますので、貸方に記載をします。
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